とある科学のヒーローアカデミア (ページ15)

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十五話「夢への第一歩」ページ15

早朝、まだ日も明けてない時間。Aは走っていた。

「ち、遅刻！！と、Aは自身の危機管理能力に不具合があると確信しますぅぅーー！！」

　ビルの屋上と屋上を飛び越えて、走る。もう、今までの冷静なキャラは崩壊している。

「あ、あーー！！？受験票落ちたぁぁぁ！！とAは何故口を開いたのか理解できず、ただ受験票を追います！！」

　受験票を取り、綺麗に着地する。そして、受験票を見る。

　御坂A……これが新たな名前である。戸籍も何故か出来上がっていて、常盤台中学の生徒登録も完了していた。そして、卒業している記録まである始末だ。

「まってー！まってくだざぃぃぃぃーー！！とAは出発する船にむかって叫びますぅぅぅううー！！」

「おい、嬢ちゃん！！？」

　他の人がAが飛び移ろうとしているのを止めようと手を伸ばすが間に合わず、Aは船にペタリとへばり付いた。まるで、鉄にくっつく磁石のように。

「ぬぅぅうあああー！！！とAは試験場に着く為に心を熱く燃やします！！」

　時には、波が体にムチを打つように当たり、口の中が塩っぱくなりつつも何とか海を越えることに成功する。

「ねぇ、何であのお姉ちゃんぬれてるの？」

　他の人がじろじろと見る中、ふらふらとした足取りでAは試験場へと向かう。