検索窓
今日:15 hit、昨日:20 hit、合計:524,542 hit

ページ32

.









多分本心というのはまたどこかにあって

気の迷いというものは存在して

そのための嘘は必要で



目を背ける為の時間だった。

逃げ道だったの。

わざとだった。









.









「何それAさんサイテーだね」




ギィと背後から音を立てて入ってきた彼に
ドクンと心臓が波打つのが分かる。

立て付けの悪いドアだから大袈裟に音を出すせいで彼の登場をより一層引き立てるの。

パタンという音も鈍く深く床に響いた。






『…チョンジョングクさん』




知らない顔。

とても怒っていて

悲しそうな顔。





……不謹慎にもその顔に胸が跳ねる自分がいた。





本当は


勝手に楽屋に入ってこないで下さい

人の告白を邪魔しないで下さい


こう言うべきなのに言い留まった。

ここから先はデッドラインだと。

これ以上はダメだって心が叫ぶ。

私の口を何かが塞ぐ。










「Aさん」



『は…い』





ギュウウと力いっぱいに手を握り締めた。

彼はギリギリと歯を食いしばんで言葉を選ぶ。

触れてしまえば壊れてしまう。




だから私は

空気に溶け込むように立つだけで

床に落とす影を見つめるだけ。



こんな時ジウンならどうするだろう、なんて頭では違うことを考えながら

彼女なら優しい声で彼の名前を呼ぶのだろう、私には出来ないコトに少し嫉妬を覚えながら

私は目の前に立つ彼に触れることも無く立ち淀んでいた。



この時はイライラとかムカムカではなくて

ビキビキと骨が砕けるような音を見ていた気がする。

苦しいという文字を見たような、そんな時間だった。









「Aさんはひどい人だね」





選ばれた言葉。

彼の口は数文字の為に口を動かす。


はっきりと告げられた単語。

卑怯な彼の発音は私の耳にはっきり届く。


ひどい

放たれた言葉は容赦ない。

彼に突然こんなこと言われるなんて。

彼の方が、ひどいと思う。

あなたの方がひどいじゃないの

ひどい、ひどい……









『………ならジウンに慰めてもらったらどうですか』

『彼女、あなたの隣の楽屋でしょ』

『行けば』







言いたくないのに。

こんなことを言うためにわざとこんなことしたんじゃないのに。

違うのに。違うのに。

あなたはひどい。

ひどいよ









「………行きますよ言われなくても」

「告白の邪魔してすみませんでした」







ひどい人ね、

ひどい人よ………









.

*(SG side)→←*(JK side)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (572 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
2048人がお気に入り
設定タグ:ジョングク , 防弾少年団 , BTS
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

よぐるん(プロフ) - ちむちむユン爺さん» ありがとうございます涙なんとか完結致しました!!では空を飛んだちむちむユン爺さんの後を追いかけるように私もタンスに小指ぶつけて空飛びますね!私跳躍力凄いんですy((( シュガエル作品暫しお待ちくださいませ! (2019年3月3日 21時) (レス) id: 6db2c6b2b2 (このIDを非表示/違反報告)
サラン(プロフ) - よぐるんさん» いえいえ!こちらこそwwwよろしくお願いします(≧∇≦)b (2019年3月3日 21時) (レス) id: 0b6d5118e4 (このIDを非表示/違反報告)
よぐるん(プロフ) - サランさん» じゃあじゃあ私は手土産持ってきますn((( 乗って下さってありがとうございます笑笑 これからもよろしくお願いします! (2019年3月3日 21時) (レス) id: 6db2c6b2b2 (このIDを非表示/違反報告)
よぐるん(プロフ) - taenonさん» ありがとうございます!! 書かせて頂きますっ(^^) (2019年3月3日 21時) (レス) id: 6db2c6b2b2 (このIDを非表示/違反報告)
ちむちむユン爺(プロフ) - 完結おめでとうございます!最高すぎました!シュガエルメインの作品書いて下さるなら私軽くタンスに小指ぶつけられますよ?(( 空飛べますよ?← (2019年3月3日 18時) (レス) id: 1d55070481 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:よぐるん | 作成日時:2019年2月14日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。