キミが好き 2 ー Hayato.K ー

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楓「そろそろあの事言ってもいいんじゃない？」

玲「何なに？」


楓の言葉に、玲於が興味を示す。


そう

今日みんなにもう一つ報告することが増えたんだ。


『実は…』



今日E-girlsのメンバーと一緒にHIROさんに呼びだされて、サプライズな発表があった。

私メインでE-girlsとEXPGの中から数名で新しいダンス&ボーカルグループを作るって。


玲「やったじゃん！おめでとう！」

ずっとダンスを仕事にしたかったから、やっと夢に一歩近づいたって感じ。

『ありがとー、玲於』



楓「モデルの仕事はどうするの？」

『どれぐらい忙しくなるかも分かんないし、出来るだけ続けていけたらとは思ってる』


せっかくモデルの楽しさが分かってきたから、そっちも精一杯やってみたい。


玲「へー、そんな話があったんだ」
楓「そうそう、みんなもいきなりでびっくりしてさー」

楓が玲於にその時の状況を説明している。



隼の反応がないなーと思って

ちらっと横目で覗き見。


何か上の空？


『どうかした？』


隼「いや、なんか…良かったなあって」

『え？』


隼「Aずっとやりたそうだったからさ」


しみじみとした口調で、遠くを見つめながら…



玲於や楓とはまた違う感情で

喜びを噛み締めてくれている気がした。




隼「…良かったな？」


私を見つめる優しい眼差し。



『うん…』


見守られている感じがして

じーんと、胸を震わせる。







楓「ふふ」

楓の笑い声で、はっとする。


前を見ると

玲於と楓がじっと、私たちを見ていて



『何？』


楓「ううん、ちゃんと恋人してるじゃん」

『そう、かな？』

楓「完全に2人の世界だったし」

玲「俺ら存在してなかったよな？」

隼「そんな事ないけど…」


私たちを包む空気も、ちょっとは変わったのかな。





楓「Aを傷つけたら許さないからね」

隼「分かってるし」


分かってるって…

当たり前みたいに言うからドキドキしちゃうよ。


慣れないこの状況は照れ臭いけど

玲於と楓が心から祝福してくれていることは伝わってくるから



大切な仲間達と集まって

隼の隣で笑う。



気持ちを隠していた頃

玲於の隣が定位置だったのに


今はこうやって

自然に隼の隣にいる。



お互い“好き”って分かって

縮まった距離。


こっちの方が、やっぱり心地いいな…。



もっと早く手に入ったかもしれないけど

遠回りしたから、分かる幸せもあるから



きっと無駄じゃなかったんだよ、ね…？

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