キミが好き 2 ー Hayato.K ー

ep.5 ページ19

『じゃあ、明日』

通話終了のボタンを押して

ツーツーって機械音が、急に頭を冷静にさせる。


ちょっと、待って。


私、私…

なんかすごい事言ったよね？


自分の発言の恥ずかしさに気づいて、頭を抱えこむ。


ふしだらな子とか思われてないかな。

ただの欲求不満の子とか…


自分の気持ちを言うのに精一杯で、隼の反応の薄さにも今気づいて

後悔ばかりが頭をよぎる。


あの後仕事も早く終わって
家に着いてからもその事ばかり考えていて

どうすればいいか答えがまだ出てないのに

今日はいつもより早い隼からの電話。


いつものお調子者の隼。
いつものように他愛もない会話。


玲於はああ言ってたものの

ほんとに隼もそんな事考えてるのかなあ。


電話の方が聞きやすいかなあ、なんて。

勢いに任せて言ってしまったけど


明日キスしよとか

こんなの、約束するもの？


余計緊張するじゃん！


何、何？


なんか準備してた方がいいよね？

寝る前にリップパックしなきゃ。


唇を指で触れてみて

明日、隼と…なんて


明日の事を考えてドキドキ。


落ち着かないよ〜。


明日が早く来て欲しいような

欲しくないような…


熱くなった身体を冷ます為ベランダに出る。

今夜は満月。


今頃隼、どう思ってるんだろ。


同じ気持ちかなあ…


だと、いいのに。




早く、会いたい…。


今日は眠れない夜になりそう…。

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