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story 45 ページ45

泣き出す私に、すれ違う人達の視線を感じて

人気のない所を探して
近くの公園の、隅のベンチに二人並んで座る。


「Aちゃんは強いね…」


何を見て涼太くんはそう思うんだろ。


『強くなんかないです。ただ、自分勝手なだけです…』


涼太くんの気持ちを無視して
勝手に思い続けているだけだもの…。



「強いよ。強くて優しい。俺、あれから恋愛が少し怖くて…自分から好きになるのも、誰かから“好き”って言われるのも、どこか受け入れられなくてさ」


辛そうな涼太くんの顔に、私の心も痛む。


でもね…と
涼太くんが私を優しく見つめて


「その度にAちゃんを思い出してた。それで比べてた。Aちゃんの“好き”なら信じられるのにって」


『それって…』












「俺…Aちゃんの事好きみたい」




涼太くんの言葉がまっすぐ心に響いてくる。



『ドッキリとかじゃ…ないですよね?』


「違うから」



私の言葉に吹き出す涼太くん。





「だから…俺の隣にいてよ?」




涙が溢れて、もう止まらない。


大きく首を縦に振るのが精一杯で

何度も何度も、頷いた。


















「もう、“好き”って言ってくれないの?」

少し落ち着いた私を
涼太くんが下から覗き込むように見る。



顔、近いんですけど…


ドキドキしてきて、タオルで口を隠す。





『今、ここで…?』

「うん」

『それは…』

「ふーん、じゃあ好きじゃないんだー」


戸惑う私が面白いみたいで、涼太くんのS気質が発動。


『そんな訳ないじゃないですか!』

「じゃあ、言ってよ?」


『……』

「ん?」



そんな上目遣いして

もう、可愛いすぎます…




心臓が、ぎゅうぎゅう掴まれて
息が苦しい。






『好き、です…』

「もう一回言って?」





『好き…』





「うん、知ってる」


私の絞り出した言葉に

涼太くんは満足そうに微笑むけど




知ってるなんて…



『じゃあ言わせないでください!』

「前はよく言ってくれたじゃん」

『前と今じゃ、重さが違うんです!』

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あず(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです^_^また機会があれば、描いてみたいなと思っています。 (2018年7月22日 10時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました^_^ このお話大好きです。完結してますが、この後のお話を読みたいです。ぜひ、お願いします。 (2018年7月6日 21時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あい*さん» 待って下さっててありがとうございます!ゆっくりかもしれませんが、とりあえず完結目指して頑張ります! (2016年10月10日 10時) (レス) id: 86d1389d64 (このIDを非表示/違反報告)
あい* - ずっと続きが気になっていたので更新再開嬉しいです。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: aeb27fa9d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - わいさん» 放置し過ぎてごめんなさい!これから更新頑張ります!まだ興味があれば、見てくださると嬉しいです(^ ^) (2016年10月5日 12時) (レス) id: ab09cdb9d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2015年7月19日 13時

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