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story 12 ページ12

それから涼太くんは、お店に来たら一杯何かを頼んで、誰かから連絡が来たら帰って行くって感じで

待ち合わせの時間潰しがてらに度々お店に来るようになった。



やっぱ彼女さんかなあ…。


携帯を見る度に優しい目になる涼太くん。


話しかけたい衝動に駆られながらも

店員とお客さんとの距離を保って、チラチラと様子を見る事しか出来なくて




それだけでも幸せだったのに…







その日はお客さんも涼太くんしかいなくて
ケイゴさんも奥に入ってるからお店の中は2人きりで

変な妄想をしそうになる自分を、必死で止めながら。



「…名前、何て言うんですか?」


『わ、私ですか?』


涼太くんから話し掛けられるなんて全然思ってなくて

突然過ぎて身体がビクっと反応して声が上ずる。



今日は連絡くるのが遅いみたいで

3杯目を飲み始めた涼太くんは少しほろ酔いぎみなのか、うっすらほっぺが赤い。



『A!Aと言います!!』



思わず前のめりになって

鼻息が荒くなっているのが自分でも分かる。




「…Aちゃんね」


下の名前で呼んで欲しい気持ちを見透かしたように、ふっと涼太くんは優しく笑って

「…Aちゃんは、ずっとファンで居てくれてたの?」



『そうです!オーディション受けてる時からもうずっとファンで!
初めて見た時から絶対スターになる!って思ってました!!』



「あ、ありがとう」


どの目線で言ってんだって自分でも思うけど。




『…どこが好きとか言いましょうか?』

「あっ、いや、別に…」


涼太くんは苦笑いだけど
一旦勢いに乗ってしまった私は、もう誰にも止められない。



『まずですねー。
クリクリとした大きな瞳に、リスみたいなほっぺた。スラリとした長い手足に小さな顔…』



本人目の前にいるのに、目を閉じて思い浮かべながら。


あれ?

私は涼太くんの外見が好きなのかな?


ホントの性格なんてよく分からないし、芸能人を好きなんて普通こんなもんだよね。



人魚姫もシンデレラも、話した事もない王子様に恋をする。


結局は見た目なのか?


私の中では、まだまだ涼太くんは童話の中にいるみたいだ。

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あず(プロフ) - ゆなさん» ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです^_^また機会があれば、描いてみたいなと思っています。 (2018年7月22日 10時) (レス) id: 30ff9accf8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆな(プロフ) - こんばんわ。一気に読ませて頂きました^_^ このお話大好きです。完結してますが、この後のお話を読みたいです。ぜひ、お願いします。 (2018年7月6日 21時) (レス) id: 1e3e43fc2a (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - あい*さん» 待って下さっててありがとうございます!ゆっくりかもしれませんが、とりあえず完結目指して頑張ります! (2016年10月10日 10時) (レス) id: 86d1389d64 (このIDを非表示/違反報告)
あい* - ずっと続きが気になっていたので更新再開嬉しいです。 (2016年10月5日 17時) (レス) id: aeb27fa9d9 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - わいさん» 放置し過ぎてごめんなさい!これから更新頑張ります!まだ興味があれば、見てくださると嬉しいです(^ ^) (2016年10月5日 12時) (レス) id: ab09cdb9d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2015年7月19日 13時

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