case 10 ページ10
何でだろう…。
玲於くん、今日怒ってる？
今日は私の家の近くに新しいイタリアンのお店が出来たという事で、2人で夕食を食べに来ている。
私が行きたいって言ったら、玲於くんが付き合ってくれたんだけど。
『玲於くん、今日なんかあった？』
「別に…」
なんか今日は会った時から機嫌が悪い。
私なんかしたかな…。
心当たりを探る為、今日の玲於くんとの出来事を思い返してみる。
・
「Aさん？」
1人会社の近くでランチを食べていたら、突然三代目の岩田さんに声をかけられる。
タレントのみなさんは親しみの意味を込めてか、結構下の名前で呼んでくれる人も多い。
受付は基本2人しかいないから、適当に空いた時間に交代でランチタイムを取る。
今日、私はちょっと早めに休憩を取らせてもらっていた。
他の席はいっぱいで、岩田さんは自然とカウンター席の私の隣に座る。
「偶然ですねー。よくここ来るんですか？」
ちゃんと話すのは初めてだけど、岩田さんは気軽に話しかけてくれて
最初は緊張してたけど、話が楽しくていつの間にか時間が過ぎていた。
気づけば交代する時間が迫ってて、そろそろ出ようと慌てて立とうとした瞬間
「よお、玲於」
岩田さんが私の向こうに視線を移して手を挙げる。
視線の先を見ると、今お店に入ってきた玲於くんがドアの前に立っていて。
「…ども。」
私たち2人を見て
何で？って顔をして、気まずそうに頭を下げる。
『あっ、私、お昼交代しなきゃいけないんで…』
失礼します。と玲於くんに席だけ譲って急いでお会計を済ませてお店をでた。
まさかね…。
この出来事に？と思いながら
『そういや、今日お昼会ったね』
玲於くんの肩がピクって動いて、フォークを持っている手が一瞬止まる。
あれ？
「うん…」
何もなかったようにパスタを口に運びだす。
『岩田さんとは偶然会ってね、初めてちゃんと話したけど、話しやすいいい人だね』
「岩さん、カッコいいですもんね」
ボソっと玲於くんが呟く。
『…そうだね』
「岩さん、Aさんの事いいなあって言ってましたよ」
『そうなの？』
「お似合いじゃ、ないですか？」
どういう意味で言ってるんだろ？
『…でも、玲於くんもカッコいいよ？』
「“も”？」
『“の方が”？』
首を傾けて、玲於くんを見る。
「それはない」
耳を真っ赤にして、俯いた。
これは…
もしかして、ヤキモチだったの？
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あず(プロフ) - 愛利さん» そんなに感動して頂けるなんて…書いて良かったです！ありがとうございます！！ (2016年10月20日 19時) (
レス) id: 9b3d990a2d (このIDを非表示/違反報告)
愛利 - 一気読みしちゃいました！最後のところ感動しすぎちゃって枕ビチャビチャです（笑) (2016年10月18日 19時) (レス) id: 183501c55e (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - ｍｉｌｋさん» 感想嬉しいです！最後まで読んで頂いてありがとうございました！！ (2016年5月9日 8時) (レス) id: a67bb7e532 (このIDを非表示/違反報告)
ｍｉｌｋ - めっちゃ感動しました！！面白かったです！ (2016年5月8日 22時) (レス) id: 62df234d60 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - ぴーなっつさん» イメージと合っていて良かったです！感想嬉しかったです☆ありがとうございます！ (2016年3月28日 19時) (レス) id: 7ee4db9f7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず
| 作成日時：2015年4月25日 8時
