case 6 ページ6
どうしよう…。
「その人家で待ってるの？」
考え込んで黙ってしまった私に、冷たい声で聞いてくる。
『うん。あっ、でももう玲於くんは心配しないで。自分で何とかするから』
これ以上、甘えられない。
「会うの？」
うつむいたまま首を横にふる。
「どうすんの？」
『…今日は、どっかホテルでも泊まる』
玲於くんはイライラしているのか
指で机を叩きながら少し考えて
ふーっと大きく息を吐いて
「…俺んち来る？」
『え？』
予想外の言葉に驚いて顔を上げる。
「べっ別に変な意味なんかないから！
1人にすんのが心配なだけで…」
玲於くんが慌ててる。
『それは心配してないよ。
ただ…玲於くんにはこれ以上迷惑かけられない』
「迷惑なんて思ってたら、こんなこと言わないっしょ？」
なんか私、地雷踏んだ？
言葉に声に、どんどん怒りがこもってきているのを感じる。
「何で、そんなサイテーなヤツの為に、そんなに悩むワケ？」
『最低って…玲於くんには分からないよ…』
仮にも5年付き合った人を、他人から最低と言われると抵抗を感じる。
それに、私たち2人の問題だからっていうつもりで言った。
「彼が彼が…って人のせいにしてるだけじゃね？
大人なら自分の気持ちぐらいコントロールできねえの？」
玲於くんのきつい言い方にビックリして一瞬固まる。
恥ずかしくて泣きそうになって
何も言えずに俯くしかなかった。
「俺、帰ります…」
一万円札だけ置いて、荷物を持って店を出て行く。
1人残されて、静かな部屋で色々考える。
玲於くんの言う通りだ。
雄哉がそう望むからって、全部雄哉のせいにして
自分が寂しいから、
自分で雄哉を選んでたくせに。
ケジメをつける為に髪まで切ったのに
玲於くんに言われた言葉の方が、スーッと自分を冷静にさせてくれる。
軽蔑、されたかな…
胸がチクっと痛む。
とにかく今は雄哉と向きあって、
ちゃんと終わらせなきゃ。
全てを振り切るかのように大きく首を横に降って、
雄哉の待つ家に向かった。
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あず(プロフ) - 愛利さん» そんなに感動して頂けるなんて…書いて良かったです！ありがとうございます！！ (2016年10月20日 19時) (
レス) id: 9b3d990a2d (このIDを非表示/違反報告)
愛利 - 一気読みしちゃいました！最後のところ感動しすぎちゃって枕ビチャビチャです（笑) (2016年10月18日 19時) (レス) id: 183501c55e (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - ｍｉｌｋさん» 感想嬉しいです！最後まで読んで頂いてありがとうございました！！ (2016年5月9日 8時) (レス) id: a67bb7e532 (このIDを非表示/違反報告)
ｍｉｌｋ - めっちゃ感動しました！！面白かったです！ (2016年5月8日 22時) (レス) id: 62df234d60 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - ぴーなっつさん» イメージと合っていて良かったです！感想嬉しかったです☆ありがとうございます！ (2016年3月28日 19時) (レス) id: 7ee4db9f7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず
| 作成日時：2015年4月25日 8時
