検索窓
今日:6 hit、昨日:17 hit、合計:293,096 hit

case 4 ページ4

「昨日は、ありがとうございました」

朝、事務所に入ってきた玲於くんが私にお礼を言う為に近づいてきてくれて


『ううん。私こそ。ありがとう』

昨日は玲於くんがおごってくれた上

結構遅くまで付き合ってくれたおかげで、1人で考え込まなくてすんだ。



『それと、これもありがとう。』

昨日借りたシャツが入っている紙袋を渡す。

昨日帰ってすぐ洗濯して乾燥機をかけた。



「そのままでも良かったのに…」



玲於くんが受け取ろうとした時




「A?」


聞き覚えのある声。


振り向くとスーツ姿の雄哉が立っていて



「何で電話出ないんだよ」

『ちょっと、仕事場まで来ないでよ』

怒りを溜めた低い声で話す雄哉。

周りを気にしながら小声で訴えるけど



「鍵まで変えて、ここに来るしかねーだろ!?」

怒鳴り声が響いて、私はビクッと震えて咄嗟に目を瞑る。



「誰だ?お前」

目を開けると、

玲於くんが私と雄哉の間に立っていて


雄哉が玲於くんを睨みつけている。


「ちょっと、どういう関係の方ですか?」

常駐してる警備員さんが雄哉の怒鳴り声を聞いて駆けつけてくる。


『すみません。ちょっとした知り合いで…
もう帰りますから』

これ以上騒ぎを大きくしたくなくて
玲於くんの横をすり抜けて雄哉の背中を押す。


「家で待ってるから」

今日は絶対逃げるなよって言い残して去って行く。





『玲於くん、ごめん』

振り向いて謝るけど、
醜態を見られた恥ずかしさで目を見れない。



「誰?あの人」

何て言っていいのか分からなくて、黙って俯いたまま




「1人で大丈夫なの?」

『え?』


「…今日も、メシ食いに行く?」


何で、

玲於くんは私の欲しい時に、手を差し伸べてくれるんだろう…


これ以上雄哉と会って話すとまた揺らぎそうで

まだ雄哉と向き合う勇気がなくて


そんな弱い私は

年下の玲於くんに甘えて


流されるようにまた誘いを受けていた。

case 5→←case 3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (282 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
375人がお気に入り
設定タグ:佐野玲於 , GENERATIONS   
作品ジャンル:タレント
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

あず(プロフ) - 愛利さん» そんなに感動して頂けるなんて…書いて良かったです!ありがとうございます!! (2016年10月20日 19時) (レス) id: 9b3d990a2d (このIDを非表示/違反報告)
愛利 - 一気読みしちゃいました!最後のところ感動しすぎちゃって枕ビチャビチャです(笑) (2016年10月18日 19時) (レス) id: 183501c55e (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - milkさん» 感想嬉しいです!最後まで読んで頂いてありがとうございました!! (2016年5月9日 8時) (レス) id: a67bb7e532 (このIDを非表示/違反報告)
milk - めっちゃ感動しました!!面白かったです! (2016年5月8日 22時) (レス) id: 62df234d60 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - ぴーなっつさん» イメージと合っていて良かったです!感想嬉しかったです☆ありがとうございます! (2016年3月28日 19時) (レス) id: 7ee4db9f7e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:あず | 作成日時:2015年4月25日 8時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。