case 15 ページ15
「うまかったぁ」
夕飯を完食して、ごちそうさまです。と、玲於くんが手を合わせる。
『全部食べたんだ』
お腹いっぱいになるのか、飽きるのか
あんまり完食が出来ないって言ってたけど、ちゃんときれいに食べてくれてる。
「うん」
『えらいえらい』
「…子供扱いしないでくれる？」
拗ねてふてくされる玲於くんがかわいくて…
なんか私、お母さんみたいじゃない？
ちゃんと女として見られてるのかなぁ
ちょっと心配になってくる…。
片付けをして、玲於くんの為にジュースをグラスに注ぐ。
リビングに戻ると玲於くんは緊張しているのか、ソファに背筋を伸ばして座っていて、キョロキョロと部屋を見渡していた。
『はい』
「…ども」
ぺこりと頭を下げる玲於くんの隣にとりあえず座って
あれ？
さっきまでのテンションは？
急に静かになった玲於くんに意識し始めて
ドキドキしてくる。
玲於くんが空になったグラスを机に置く音が響いて、びくっと身体が反応する。
「…手、繋いでい？」
私のひざの横まで右手を滑らせてきて。
『今？』
「今。」
持ってたマグカップを机に置いて、手の掌を上に向けて玲於くんの手の横に置くと
そのまま私の手に右手を乗せて、指を絡めてきた。
手が触れただけで、きゅっと胸が締め付けられる。
「…キスしてい？」
『何でいちいち聞くの？』
余計恥ずかしいんだけど。
「いや、なんか、照れるし」
赤くなっている顔がかわいくて
私からキスしたくなる衝動にかられながら
繋いでいる手をきゅっと握って見つめる。
それが合図かのように、ぎしっとソファの音が響いて玲於くんの方から近づいてきて
チュッと音を立てて、唇が触れた。
確かめるようにもう一度…
少し顔を離して玲於くんが下を向いて、一瞬動きが止まる。
…何？
「あーっ、もう緊張する！」
そう叫ぶと、近くにあったクッションに顔を埋め、私と反対側に倒れ込む。
何それ。
『ぷ、あはは』
そんな姿もかわいくて
思わず笑ってしまう。
「笑わなくてもいいじゃん」
横目で私を睨む。
『ごめんごめん。
そんな無理しなくても…ゆっくりでいいんじゃない？』
笑い過ぎて出た涙を指で拭いながら
「…いや」
『え？』
「俺がしたいし…」
だから、わざわざ言葉にしないで欲しいんですが…
そう言うと、また私に顔を近づけてきて
そのままソファの上で押し倒された。
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あず(プロフ) - 愛利さん» そんなに感動して頂けるなんて…書いて良かったです！ありがとうございます！！ (2016年10月20日 19時) (
レス) id: 9b3d990a2d (このIDを非表示/違反報告)
愛利 - 一気読みしちゃいました！最後のところ感動しすぎちゃって枕ビチャビチャです（笑) (2016年10月18日 19時) (レス) id: 183501c55e (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - ｍｉｌｋさん» 感想嬉しいです！最後まで読んで頂いてありがとうございました！！ (2016年5月9日 8時) (レス) id: a67bb7e532 (このIDを非表示/違反報告)
ｍｉｌｋ - めっちゃ感動しました！！面白かったです！ (2016年5月8日 22時) (レス) id: 62df234d60 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - ぴーなっつさん» イメージと合っていて良かったです！感想嬉しかったです☆ありがとうございます！ (2016年3月28日 19時) (レス) id: 7ee4db9f7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あず
| 作成日時：2015年4月25日 8時
