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『ちょ、亜嵐…』


キッチンに水を取りに行って寝室に戻ると、亜嵐くんがAの上に覆いかぶさっている光景を目にする。

水を飲ます為にAが亜嵐くんを起こそうとして

そのまま支えきれなくなったみたいで…


何でこんな所、見てしまうのか。

偶然でも、嫌な光景。



「何してんの?」

『これはっ…』


焦って離れようともがくけど、ビクともしない亜嵐くん。

無理矢理2人を引き離して、俺が亜嵐くんを支える。


動揺を抑えるように、Aはぎゅっと胸の前で拳を握る。


俺がいなかったら

どうなってた…?



「後は俺が居るから…Aは帰りなよ」

『でも…』


俺が帰ればいいのに、このまま2人を置いていくのも嫌で。



『やっぱ私もいる』


亜嵐くんの側から離れないAを、無理矢理引き離す事も出来なくて…

それ以上かける言葉が見つからなかった。


この場から去る事も出来なくて

壁にもたれて、2人の姿を見ないように目を閉じる。


これから、どうなるんだろ…。


亜嵐くんが彼女と別れるなんて考えた事もなかった。


Aの想いは、叶う訳ないと思ってたのに…


弱っている時に、Aの優しさに触れて

Aの魅力に気付いたら…



やばっ

泣きそう…


溢れてくるモノが溢れないように、ぎゅっと瞼に力を込める。












カーテンの隙間から漏れた光に目が覚める。


いつのまにか寝てたんだ…



身体を起こそうとして、毛布がずれ落ちる。


亜嵐くんは起きた形跡ないし、Aがかけてくれたのかな…。


ベッドサイドに座って、ベッドに顔を伏せて寝息を立てているA。


夢にまで見た一緒に迎える朝が

こんな苦しいなんて…


それでも眠っている横顔が、こんなに愛しいなんて…。



── 好きだよ


小さく小さく呟いた心の叫び。


亜嵐くんと恋のライバルにはなりたくないから


もし、亜嵐くんがAを好きになったら

もう二度と伝えられなくなる。



心から祝福しなきゃいけなくなる…。



出来んのかな…。



バランスが崩れ始めた俺たちの関係。


どうすれば楽になれる?


どうすれば

Aが心から笑っていられる?

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りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月1日 2時) (レス) id: 23700234a2 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月25日 1時) (レス) id: ad058fd0f4 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月22日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - あずさん» いえいえ(*^-^*)そうなんですね(*^-^*)頑張って下さい(*^-^*) (2021年1月19日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます!せめて全員描きたい…頑張ります(*^^*) (2021年1月18日 20時) (レス) id: 26814e9a22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2018年7月6日 1時

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