GENEと恋うた２～SOUND OF LOVE～ (ページ23)

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★ ー YOU side ーページ23

『待ち合わせ？』

「いや、電話してんだけど出なくてさあ、もしかしてここかなあって」

朝から連絡取ってるけど、玲於くんの反応がないらしく。

不安そうに、また携帯を確認する亜嵐。

大丈夫なのかな。

あの後…どうしたんだろう。

やっぱり、今朝ちゃんと向き合うべきだったのかもしれない。

「あれから…玲於どうだった？」

不意に向けられる質問。

正直に答えるべきか…

迷って、口をつぐむ。

「…何かあった？」

『な、、何も！』

「ほんと？」

『ある訳ないじゃん！』

こういう時の亜嵐って鋭い。

それが分かってるからか、余計力が入ってしまう。

「…あの後すぐ帰ったの？」

『え、えっと、うん…』

「玲於と話してないんだ？」

間をおかず、次々と繰り出される質問。

適当な答えを用意してなかったから、動揺が隠せない。

『何飲む？』

話題を変えようと

おしぼりと、コースターを用意して亜嵐の前へ置く。

「…まさか、告られたり、した？」

『な、何が！？』

「動揺し過ぎだし」

亜嵐には相談してたのか、何もかも知ってたような口ぶり。

そう思うと、亜嵐の今までの態度が色々と繋がる気がした。

でもそれよりも、今朝の玲於くんの切ない表情が頭に浮かぶ。

『ビールでいい？』

グラスを取って、ビールサーバーに手をかける。

ここで亜嵐に相談するのは、玲於くんへの裏切りのような気がして…

『あっ、今日新しいリキュールが手に入ってね。後で飲んでみる？』

もうこれ以上傷つけたくない。

反射的に玲於くんの話題を避けたのに

「…玲於にも、そうやってスルーした？」

溢れるビールの泡がグラスを伝って、手に落ちる。

亜嵐が冷静に私を見据えている。

やっぱり、亜嵐は鋭い。

そうだ。

今みたいに誤魔化して、私は玲於くんから逃げたんだ。

気持ちを知って…更に、傷つけた。

『私は…ただ…』

声が震える。

驚いて…って

違う。

自分が傷つきたくない、傷つけたくない

それだけで、玲於くんの真剣な想いから逃げたんだ…。

「玲於の事、嫌い？」

『嫌いなワケないじゃん』

泣きそうになる私の気持ちを読んでか

簡単に答えが出る質問。

「告られて、嫌だった？」

黙って首を横に振る。

むしろ…

嬉しかった？

玲於くんといると、素の自分でいれる。

そんなありのままの私を好きって言ってくれて
一途に想ってくれて

一瞬、嬉しいと感じたのは本当

だけど…