GENEと恋うた２～SOUND OF LOVE～ (ページ19)

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いってぇ…

ガンガン響く頭を抱えながら、ゆっくりと瞼をひらく。

ここは…？

カーテンの隙間、うっすら射し込む光から

見慣れた風景。

俺の部屋…？

リビングのソファの横

フローリングの上で寝てたからか、身体の節々がだるい。

どうやって帰ったのか

亜嵐くんが家まで送ってくれたのかな。

何も覚えてねぇんだけど…

身体を起こそうとすると、かかっていた毛布がずれ落ちる。

『ん…』

後ろから声

居るはずのないその声に、勢いよく振り向くと

『…おはよ』

ソファに頭を乗せて寝てたAが、とろんとした瞳をこっちに向ける。

どういう状況？

あまりの驚きに、一気に眠気が吹っ飛んで

二日酔いと、寝起きの頭で
必死に記憶を探る。

何で、Aが？

Aが立ち上がって、カーテンを開けて

広がる光に目を細める。

『飲む？』

呆然とする俺に、水の入ったペットボトルの蓋を開けて差し出してくれる。

とりあえずそのまま受け取って
落ち着く為にも、ゆっくりと喉に流し込んだ。

少しずつ頭はハッキリしてきたけど
この状況に繋がりそうな、記憶がない。

俺の前に座り込んで
じーっと俺を見るAの表情を探ってみたり。

俺…何もしてないし

何もまずい事言ったり、してないよな…

二日酔いのせいもあってか

血の気が引く感覚がして、ぶるっと小さく震える。

『もしかして、何も覚えてない？』

こくんと頷くと
そうだろうなって思ってたけど、って言いながら

この状況を説明してくれる。

どうやら亜嵐くんがここまで送ってくれて
その後、Aをここに呼んだらしく

「何で来たの？」

『玲於くんが大変って言うから…』

亜嵐くんに会いたかったのかと思ったら、予想外の答え。

「来なくて良かったのに…」

『そんな…何かと思うじゃん』

「亜嵐くんは？」

『今日早いみたいで、後よろしくって、帰ったよ』

今日何もないって言ってたのに

また余計な事を…。

俺の想い、全然伝わってないじゃん。

「亜嵐くんと帰れば良かったのに」

遅い時間に呼び出されて、酔っ払い押し付けられて。

何、朝まで付き合ってんのか。

どんな想いで、亜嵐くんに言ったと思ってんだよ。

もう邪魔したくないのに

俺に気を遣って欲しくないのに

思い通りにいかない事に、イラっとしてくる。