GENEと恋うた２～SOUND OF LOVE～ (ページ18)

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玲「それさー、勘違いだったわ」

亜「へ？どういう事？」

玲「Aの事…別に好きじゃない」

亜「え、そうなの？」

目を見開いて亜嵐くんは俺を見る。

玲「だから、協力とか、もういいや」

今日、一番伝えたかった事。

やっと、言えた。

長い付き合いだし、嘘がバレそうな気がして

それだけ口にして

ぐいっと、飲み物を喉に流し込む。

亜「え、え、どうしたの？玲於？」

玲「亜嵐くんもさー、失恋の傷みは新しい恋だよ！
いいじゃん、A。もう付き合ってみたら？」

亜「いきなりだな」

玲「意外としっくりくるかもよ？」

お酒の勢いに任せて

思ってもない事をツラツラ並べて…。

亜「いや、そんな…簡単なものじゃないから」

玲「亜嵐くん、無理してんの丸わかりだからね！メンバーも気づいてるし、リーダーがそんなんだとみんな気遣うから！」

亜「それは…ごめん」

玲「気晴らしにAとデートとかしたらいいじゃん」

今すぐじゃなくても、Aを見てあげてよ。

亜「いや、Aの気持ちもあるだろし」

玲「2人お似合いだなあ」

グイグイくる俺に

亜嵐くんも困り果てたのか…

急に真顔になって

亜「今は本当ごめん…誰かを幸せにする自信がないし、恋愛とか、考えられないから…」

元カノへの想いはまだまだ亜嵐くんを縛り続けてるみたいで、遠くを見つめる。

俺が出来るのはここまで。

これで…良かったんだよな？

とにかく、Aの事を意識するキッカケになればいい。

亜嵐くんにも元気出して欲しいし

Aにも笑っていて欲しいから

恋愛の好きや

友情の思いやり。

複雑に絡み合った想いは

俺が消えたら、少しはシンプルになるよね…？

玲「もう、好きじゃないから」

亜「もうやめとけって」

亜嵐くんが俺の手からグラスを取りあげる。

玲「Aなんて好きじゃないから」

亜「分かったって」

あれから何杯お代わりしたのか。

朦朧としてくる意識に、瞼も重くなってきて

言霊に頼るように…

何度も何度も繰り返して

亜「Aと…何かあった？」

玲「…別に」

何もねーよ。

今までも、これからも。

もう、好きじゃない。

もう、どうでもいい。

好きじゃない

好きじゃない

そう思えれば楽になるはずなのに

“好きじゃない”

そう思い込もうとする度

何で、こんな…

こんな、苦しいんだよ…