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★ ー YOU side ー ページ15

ー A side ー


亜嵐は、本当に仕事なのかな。

興味のない玲於くんを、無理矢理誘った?


そんなに…2人が嫌だった?


亜嵐に元気出して欲しくて
好きなモノを調べて、取ったチケット。

ただの一回のドタキャン

なのに、つい悪い方に考えてしまう。



ふと見ると、玲於くんが何かを考え込むように遠くを見てる。


気を遣わせてるのかな。

きっと玲於くんには全て見透かされてるよね。



『口に合わなかった?』

「そんな事ないけど…」


『私の料理で舌が肥えたかな?』



「…そうかも?」


私の冗談に

少しはにかんで、欲しい言葉を返してくれる。



『ふふ、また作ってあげるね』


なんか嬉しいなあ。

玲於くんといると、いつもほっとする。




「…亜嵐くんに作ってあげたらいいのに」


不意に出てくる名前に

穏やかになってた心が、またざわつき始める。



『亜嵐は…ほら、彼女いたし』


「今いないから、チャンスじゃん」

『そうなの、かな…』


店に来たついでにとかあるけど、その為に呼び出しとか…なんか亜嵐にはできない。



「俺だってさ、彼女出来たら今までみたいに食べてあげれなくなるし」


何気に出てきた言葉。


玲於くんに彼女…

別に居てもおかしくないのに、急にリアルに響いてくる。


支えにしていた何かが、ぐらぐらと揺れ動いた気がした。


『彼女…できそう、とか?』

「さあねー」



『好きな人がいるの?』

「……」


『いるんだ?』

「い…るよ?」


もやっとした何かが、湧き出てくる。


一瞬視界が真っ白になって、ぱちっと大きく瞬きをした。



『どんな人?』


独占欲?

亜嵐の事が好きなくせに、玲於くんに抱く勝手な感情を認めたくなくて

間を置かずに、玲於くんを問い詰める。



「んー、…残酷な人?」

『え、どういう事?大丈夫その人?』


辛い恋なのかな…。



「うそ、何にでも一生懸命な人」


私の批判を打ち消すように発した一言は、その人への大きな愛情を感じた。


ちくっと胸に痛みが走って

それ以上何も聞けなくなった。


聞きたくなかったのかな。

私の知らない玲於くん。


でもこれはきっと、“弟”に彼女ができるみたいな…

身内みたいな感覚だろうと


優等生のような理由をつけて




あの時、玲於くんに掴まれた左手が熱くなる。


こんなに強く想われたら

幸せだろうなあって…


心の何処かで、玲於くんの好きな人を羨ましいと思った事には

気づかないようにしたんだ。

★ ー YOU side ー→←★



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りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月1日 2時) (レス) id: 23700234a2 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月25日 1時) (レス) id: ad058fd0f4 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月22日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - あずさん» いえいえ(*^-^*)そうなんですね(*^-^*)頑張って下さい(*^-^*) (2021年1月19日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます!せめて全員描きたい…頑張ります(*^^*) (2021年1月18日 20時) (レス) id: 26814e9a22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2018年7月6日 1時

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