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振り切って、店を出る人波に逆らっていくA。


人混みの中に、すぐAの姿が消えていく。


何で、そんな必死になるんだよ…


どんなに手を伸ばしても、掴めない。


また思い知って

傷がえぐられていく。













遅いな。


大丈夫かな。


そんなに時間は経ってないかもしれない。


けど、待っている時間が長く感じて…



すぐ追いかければ良かった。


後悔しながら周りを見回すと

男3人に囲まれた女の人が目に入って…


あれって……絡まれてる?



って、Aじゃん!


さーっと、血が抜ける感覚。



「A!」


気づいた時には走り出していた。















『ちょっ、玲於くん…?』


あの場からAを連れ出して、手首を掴んで足早に歩く。


勝手に一人で行動すんなよ!

何かあったらどうすんだよ!


ってか、俺の側離れんなよ!


言いたいのに、言えない。

言える立場じゃない。


もどかしくて、手に力がこもる。



『痛…っ』


Aの声にハッとして、掴んでいた手を離す。

振り向くと、Aが手首をさすりながら小さくため息を吐いて


『道…聞かれてただけなんだけど?』

「え?」


『さっきの人達』


何それ…

まさかの勘違いで、顔が熱くなってくる。



何、取り乱してんのか。


Aの前では、何て余裕がないんだろう…。



「ごめんなさい…」

『もうっ』


へこむ俺に、呆れながらも笑って返してくれたけど



「って、ボロボロじゃん」


改めてAを見ると、セットしてきた髪もボサボサになっていて



『でも、ほら!』

「当たってたんだ…」


『ふふ、当たってるような気がしたんだよねー』


そんな事気にならないぐらい嬉しそうに、手にしたサインを俺に見せる。





『亜嵐、喜ぶかな…』


並んで歩いている時、小さく漏れた声。

きっと俺に聞こえたなんて思ってない。


今ここにいるのは俺なのに

今ここにいない亜嵐くんにさえ勝てない。




『ねえ、このお店行ってみない?』


Aが携帯に移しだしたのは、最近出来たタピオカミルクティの店。

この近くにあるみたいで、前から行ってみたかったとか。


「今から?」


『ダメ?』

「太るよ?」


『たまにはいいの!』


そんなの、断れる訳ないじゃん。

Aのしたい事、何でもしてあげたいのに。


側にいればいる程、惨めな思いが強くなるのに

まだ一緒にいたいの方が強いなんて…


バカな俺

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りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年2月1日 2時) (レス) id: 23700234a2 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月25日 1時) (レス) id: ad058fd0f4 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - 続き待ってます(*^-^*) (2021年1月22日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
りさ - あずさん» いえいえ(*^-^*)そうなんですね(*^-^*)頑張って下さい(*^-^*) (2021年1月19日 0時) (レス) id: ee645294a7 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - りささん» コメントありがとうございます!せめて全員描きたい…頑張ります(*^^*) (2021年1月18日 20時) (レス) id: 26814e9a22 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2018年7月6日 1時

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