はつ恋 2 ーAlan.Sー

case 7 ページ7

『アユミちゃんって、すごいフェロモンというか、色気あるよね…』

今日、初めて生で見た
アユミちゃんを、思い出しながら

同じ歳なのに、仕草や、表情が艶っぽくて

“女”って雰囲気が、滲み出ていた。



「あー、確かに」


そういや、亜嵐

雑誌か何かで

“セクシーさは大事”って、言ってたな…


亜嵐の周りには

アユミちゃんみたいな人が、普通にいるわけで。



「何？もしかして、色気とか気にしてんの？」


食べ終えた食器を率先して片付けたり
いつもと違う私に違和感を感じ始めたのか

様子を伺うように、私の顔を覗き込む。


『…まあ？』


「じゃあさ。例えば、家でもジャージじゃなくてさ」

こんなキッカケを待ってました、みたいに
何か、嬉しそうに携帯をいじり始めて


「こういうの、着てみるとか？」


携帯の画面には
今流行りの、可愛らしいピンク色の、タオル生地の部屋着で。

モデルさんが、ショートパンツから伸びたキレイな足を交差させて、ポーズを決めている。


『無理！こんな足、出せないよ！』



それに
こんなピンク色なんて、いかにも女の子の色で

ものすごく、抵抗がある。


「何だよ」

唇を尖らせて
拗ねる亜嵐は無視して。


私が求めているのは

こういう、露出するからの色気じゃなくて


内面から滲み出る、ような？



まあ、私が露出したからって

色気が出る訳じゃないけど…



「買ってやんのに、さ」

『いらないって』

「ちぇー」






基本的に
亜嵐は、私に何かを強制したりしない。

だから料理だって
私から作ったら、喜んでは食べてくれるけど

別に作らなくても、何も言わない。


2人とも、簡単なモノしか作れないから

私の中で、ちょっとレベルをあげて
肉じゃがに挑戦してみたんだけど

それは、もう、酷いモノで。


亜嵐が優しいからって

私はいつも、それに甘えて


料理も、まともに出来ないし

何か、飛び抜けて出来るモノだって

思い浮かばない。


こんなダメダメな私でも

亜嵐は、そのまま受け止めてくれる。


そんな人に出会えた私は

幸せなんだけど…



このままで、いいのかな…？

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