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case 34 ページ34

来て、くれたんだ…



あの後携帯の電源も切ったまま、家に帰って

ベッドに身体を沈めて、ぼんやりと天井を眺めていた。


何も考えたくなくて

思考や感情が湧き出てくるのを拒否しているかのように


頭の中が真っ白に塗り替えられていく。





夜遅く、インターホンの音が響いて


ああ、亜嵐だって

機械のように身体が動いて、玄関の扉を開けると


泣きそうな顔をした、亜嵐が立っていた。




「会えないかと思った…」

良かったって、心底安心したように大きく息を吐く。




本気で、心配してくれてたんだ…


ズキンと痛む胸。




『ごめん…』


私の為にどこまでしてくれるんだろって

少しでも亜嵐を試そうとしていた自分が、恥ずかしくて

まともに顔も見れずに、視線は宙を見つめる。


こんなに、弱くてズルい私なのに

亜嵐は責めもしないで…


切なげに目を細めて、黙って首を横に振った。





部屋の中に入るタイミングを逃して

玄関で、2人佇んだまま…


緊迫した空気が流れる。



亜嵐の、大きく息を吸い込む音が静寂を破る。


「その、ちゃんと話をしたくて…」



『う、ん…』




怖い…


けど、会いに来てくれたって事実が
私を支えてくれて



話を聞けば、納得できるって


大丈夫大丈夫って呪文のように唱える。

case 35→←case 33 ー亜嵐 sideー



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sakura13ryuji90(プロフ) - アユミちゃんの気持ちもわからなくはないです!私も好きな人がいるのですがその人には多分彼女がいて、しかもその彼女は私の親友とゆう複雑な感じでどうにも出来ないんです、主人公の女の子になりたいですねー!亜嵐くんはやっぱり優しい!!! (2018年9月21日 0時) (レス) id: a12dea4425 (このIDを非表示/違反報告)
あず(プロフ) - 感想ありがとうございます!面白いのかなぁって気になっていたので、嬉しかったです。とりあえず、完結頑張ります! (2016年5月22日 20時) (レス) id: 847e794d67 (このIDを非表示/違反報告)
yuna(プロフ) - この小説とっても面白いですっ!てかアユミちゃんなんなんですかね、はらたちます。切なすぎて切なすぎて…、はぁ続きが気になる。 (2016年4月11日 20時) (レス) id: 9270ca8be2 (このIDを非表示/違反報告)
あずき(プロフ) - yurikaさん» ありがとうございます!続編喜んで貰えて嬉しいです(>_<)2人が成長する姿を書けたらと思いながら…前作を裏切らないように頑張ります☆ (2015年7月26日 7時) (レス) id: 808fbb2dfc (このIDを非表示/違反報告)
yurika - この小説好きなので続編読めてめっちゃ嬉しいです!! 更新頑張って下さい。。 応援してます(^^) (2015年7月24日 23時) (レス) id: e696601b77 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あず | 作成日時:2015年7月22日 18時

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