はつ恋 2 ーAlan.Sー

case 24 ー亜嵐 sideー ページ24

「今からでもいいから、私をそういう目で見て？」

「…Aがいるから」


アユミちゃんの真剣な眼差しに、俺も迷う事なくハッキリと答える。


「でも好きなの」


「…ごめん、気持ちは嬉しいんだけど」


聞いてしまったからには中途半端に優しく出来ないと

ちょうど電車が来たのを理由に、逃げるようにその場を立ち去る。





これは…


どうすればいいんだ？


アユミちゃんには悪いけど、告白された事よりキスされた事の方が俺の中では大きくて

油断していた俺が悪いと、罪悪感ばかりが膨らんでいく。




Aに、言う？


とりあえず携帯を取り出してみるけど。

今、電車だから降りてからにしようと、自分に言い訳をしてその間必死に伝える言葉を考える。


A、傷つく…よな。


Aの泣きそうな顔が浮かんできて、ズキンと胸が苦しくなる。


俺、耐えられるかなぁ。

電車の窓に映る自分の顔も今にも泣きそうで。





会って話した方がいいかな。




頭を絞って考えるけど、何も浮かんでこなくて。




このまま黙ってたら、バレない？なんて、弱い自分が出てきたり…。





どうしよう…



家に着いてもずっと携帯と睨み合ったまま、最低な事をした自分を責めるけど。



結局何もできずに眠れない長い夜が過ぎて行った。

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