Dynamite (ページ13)

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なんだか私最近幸せ過ぎない？

ちょっと贅沢しすぎて残りの人生が怖くなってきた。

その贅沢の原因は、紛れもなく今隣にいる人のせいで。

横顔きれいだな、なんて考えながらぼぉっと彼を見つめているとその視線に気づいたのかこっちを向いて笑う。

熱くなった顔を隠すために上を向くと綺麗な月が光輝いていた。

壱馬「月、きれいやな」

上を見上げた私にそう話しかける壱馬くん。

『同じこと考えてました、笑』

きっと壱馬くんは深い意味なんて何もないはずなのに"月が綺麗ですね"の言葉にまた赤くなってしまうのは私のほうだった。

こんな時超能力で人の心が読めたりしたらいいのになんて考えて、

壱馬くんは今何を考えているんだろう。

私は壱馬くんのことで胸がいっぱいで歩くのも精一杯なのに。

いつまでも微笑んでいる彼の横顔を盗み見ては気持ちが沈んだ。

きちんと最後までお家に私を送り届けてくれた彼は家の前で私のほうに向きなおった。

壱馬「今日は付き合ってくれてありがとう」

『こちらこそ、遅くまでありがとうございました！』

もう帰っちゃうかな、

じゃあと手を挙げて背を向けて歩いていく彼の背中を見て振り向いて、振り向いて、と唱える。

壱馬くんがいきなり振り向いてこっちに向かって歩いてくる。

え、え、え振り向いてほしかっただけなのに、

どんどん自分に近づいてくる彼にどうしたらいいものかとあたふたする。

壱馬「連絡先、ききたくてさ」

戻ってきちゃった、なんて可愛く笑う壱馬くんを放心状態で見つめる。

壱馬「だめやった？」

何も反応しない私を拒否されたととらえてその途端に眉毛だ下がるのを見て急いで携帯を出す。

そんな私を見て優しく笑った彼は交換した直後"よろしく！"と書いてある可愛いスタンプを送ってくる。

もう、どこまで可愛いのこの人、、

頭を抱えて悶えている私を気にも留めずまたじゃあと言って頭をなでて、来た道を戻ってしまった。

幸せで時間も忘れてトーク画面だけを見つめていた。