花女房 (ページ9)

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『こーじくん！こーじくん！おかえりなさい！
今日は何があったの？』

俺がいつも花に話しかけてるのが分かってるみたいに帰ってきた瞬間話しかけられる。

向井｢俺のこと話す前に少し質問してもいい？｣

彼女の前に正座して話し始める。

『しつもん？』

向井｢なんで人間になろうって思ったん？｣

『……こーじくんと話したかったの。
面白い話は一緒に笑って、辛い時は一緒に苦しんでって。何も出来ないままは嫌だったの。』

向井｢でもあの花枯れてたやんそこからどうやって人間になったん？｣

『人間になりたいって神様にお願いしたの。
こーじくんとお話したいから人間にしてくださいって毎日頼んでたらそう思い始めた日からどんどん体が萎んでいって私が落ちたの。』

向井｢で、なんで俺の名前知ってるん？
自分のこと呼ぶ時は俺か僕って言うのに。｣

『その黒いのからこーじくんって聞こえた！
こーじくん、それにはい！って答えてたからこーじくんでしょ？そして私はA。こーじくんがつけてくれた。』

黒いの、とテーブルの上に置いていたスマホを指さした。
きっとラウと電話してた時のこと聞こえてたんかな。
丁度スピーカーにしてたし。

向井｢…ほんとっぽいんよな～｣

今も尚にこにこしている彼女は例えるなら華で。

『こーじくん！私、こーじくんの癒しになってあげる！』