花女房 (ページ7)

今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:1,962 hit

7 ページ7

.

とぼとぼ帰り道を帰ってきて家の扉を開ける。

向井｢ただいま……｣

Aを埋めなあかん…それを考えただけで涙が出てくる。

また綺麗な花咲かせてな。

そんなことを思いながらリビングへ行くと何故かついている電気。

向井｢あれ？俺今日消し忘れてたっけ？｣

まあ、Aのこともあったしな…

扉を開けて中を覗くとソファーに丸い塊が。

向井｢うえっ？！？！誰や！｣

俺のその声に反応したのモゾモゾ動き出す物体。

その体は俺が寒くなったとき使う用に置いているブランケットで包まれている。

向井｢うわうわうわ！動かんといて！｣

どこに逃げることも出来ずただ扉に寄りかかって手を前に出す。

そのまま体を起こした物体はこっちを見た。

『おかえり！こうじくん！』

向井｢へ？｣

『もぉ～待ちくたびれたよ～！
いつもこんなに遅かったっけ？』

向井｢いやまって、(笑)
ドッキリ？これ｣

『どっきり？なにそれ』

初めて聞く～！なんて嬉しそうな顔をしながらニコニコこっちを見る女の子。

向井｢ど、どうやって入ってきたんですか…｣

『え？こーじくんが入れてくれたじゃん！あの水の中に！』

指差す方を見ると朝にはあったはずの花は無くなっていた。

向井｢Aがいない……！｣

『ここだよ～』

向井｢え？｣

『Aだよ！』

へへっと照れくさそうに笑って体に巻きつけていたブランケットを顔あたりまで上げた。

『こーじくん毎日私に話しかけてくれたでしょ？
だから私もおしゃべりしたかったのこーじくんと』

向井｢いやまって信じられへん…｣

だっておかしいもんこんなん…
花が人間になることってある？

『こーじくん、お洋服が欲しいな
みんな着てるよね？』

向井｢え？！もしかして…｣

『Aお洋服着てないよ！』

そう言ってブランケットを取ろうとするから急いで止める。

少し待つように言ってベッドがある部屋に入る。

花人間
花変化
人間から変わる
人間になりたい花

もちろん検索結果は0。

向井｢なんやねんそれ……｣

突然起きた事態に戸惑いながら入らなくなった俺の洋服を持って部屋を出た。