笑みを浮かべ ページ30
そのままの想いを、言葉でぶつけた。
響いてくれたらいいなぁ。
｢…なんで泣いてんの｣
あ、本当だ。
無意識に泣いてた。
『そういうお前だって、泣いてるじゃない』
そう言って指さすと、ボイロは少し驚いて
その涙を拭った。
｢ったく、せっかくの
マルコが差し出したハンカチは、去年に私があげたものだ。
使ってくれてるんだね。
『…ありがと。
さて、ボイロ。これからどうするの。』
ボイロは私たちを拉致したため犯罪者、
ということになる。
まぁ、もともと海賊だから、今更にも思えるけど。
『もし、この実験を続けるってんなら、少なくとも俺たちは止めるねい。』
マルコの言葉に、私も頷く。
すると、ボイロは何か決めたように口を開いた。
その目は、決意に満ちていた。
｢然るべき場所で、然るべき報いを受けてくる。
報いを受けて、生まれ変わったら、
もう一度、家族になれませんか…？｣
ボイロの問いに、私たちは間髪入れず答える。
『｢ 勿論 ｣』
また、愛が、大切なものが、生まれた。
よかった、本当によかった。
やっぱり、ハッピーエンドが1番だ。
島の港にきた。
ボイロ曰く、この島の近くに白ひげ海賊団の
目撃情報が入ってるらしい。
鳥になって、探そうと思う。
さて、別れの時間だ。
深呼吸して、やわらかく笑う。
『ゆっくりでいい。待ってるからね』
黄昏時のふんわりとした風は、結構好き。
彼の笑顔によく似ているから。
なんて、今考えることじゃないか。
｢…マルコ隊長、Aさん。
言えてなかったんですけど、すみませんでした。｣
そういえば、謝罪はされてなかったっけ。
『ねぇ、知ってる？鳥はね、
ごめん、より、ありがとうの方が嬉しいんだよ。』
｢…っ！｣
鳥の姿になる。
後ろは振り返らない。
｢じゃあな、兄弟｣
そう言って飛び立ったマルコに続いて、
翼を広げる。
｢ッありがとう、兄弟！またな！｣
兄弟の叫びに、笑みを浮かべながら。
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百花繚乱〜夜桜が舞う〜(プロフ) - 現パロで見たいです！続きお願いします！(>_<) (2019年1月7日 17時) (
レス) id: c3e95f7387 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：獅月 | 作成日時：2018年9月7日 20時
