十八話_認めてほしい ページ21
俺は両親から、めいいっぱい愛されて育った。
…なんて言えば聞こえはいいんだろうか。
だが、その愛とやらは、期待と渇望をそれらしくした物にすぎなかった。
両親は、テストで満点をとる俺を愛した。
両親は、成績で5をとる俺を愛した。
だから、両親なんて名前だけのもので、他人も同然だった。
家にいても、まるで他人の家にいるみたいで。
親子愛という言葉の意味は、いつまでもわからない。
けど、そんな俺にだって、優しくしてくれる人がいた。
姉さんだ。
テストで99点をとってしまったとき
家に帰ると、母さんに怒鳴られた。
でも
「コウくん99点だったの?惜しかったねぇ」
姉さんは違う。
俺がどんなことをしたって、ニコニコしてて、励ましてくれた。
今思えば、俺はその言葉に、頼っていた。
…けど、姉さんが俺に頼ることはなかった。
勉強だって、どんなにわからなくても、ずっと1人でやっていた。
なんだって、無理矢理自分でやっていた。
そんな姉さんを、かっこよく思う反面、自分が認められていないように感じていた。
ずっと、認められたかったんだ。
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鈴錬 - なんか…感動します。ちょっとでいいからユキナリと絡ませてください! (2018年5月22日 21時) (レス) id: 28c60ad67a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:獅月 | 作成日時:2018年4月3日 13時