bouquet

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そして、今年。
大学を卒業して、Vリーグに入って。
来年のパリ五輪に向けての大事な年に、俺は日本代表メンバーに選出された。


Aさんには言わんくても伝わってるんやろうな、なんて思ってたのにこの年に限ってAさんからの連絡はなかった。


でも自分から言うのも、なんか子供っぽいような気がして言えないまま、代表合宿を迎えることになった。








それなのに、Aさんは
すごく綺麗になったAさんは、



ブラン監督の隣で日本代表スタッフのジャージを着ていた。



「去年まで通訳をされていた方が退職されたため、今年から新しい通訳の方に来ていただくことになりました。自己紹介お願いします」



『みなさん、初めまして。
今年、通訳をさせていただくことになりました、A Aです。言語は英語、イタリア語、フランス語、が主です。他にも少しできるものもあります。
バレーに関しては昨年までイタリアのセリエAでお仕事をさせていただいていました。
1日でも早く戦力になれるよう頑張りますので、よろしくお願いいたします。』



「Aさんには、通訳の仕事をしてもらいながらマネージャー業もお願いしようと思っているので、みんなしっかりコミュニケーションとっていくように。」






開いた口が塞がらない、とはまさにこのことで、
なんでAさんがここにおるんか、とか、
なんで祐希さんと藍と親しげに話しているのか、とか、
聞きたいことは山ほどあるのに、声が出なくて

そんな俺を見て優しく微笑みながらAさんがこっちへ来た。



『たつくん、久しぶり。元気そうやな』



「いや、久しぶりとか、元気とか、そういうのじゃないやん。
え、何してんの？なんでおるん？
え、ほんもの？」


『ぷっ、あははは！本物やで、驚きすぎや、たつくん、あはは！』



「そら、驚くやろ。何回聞いても何してるか教えてくれんし、今年は代表選ばれても連絡すらくれんかったやん。」


『ビックリさせよう思って、連絡せんかったんよ。大成功やわ』


「いや、大成功も大成功やわ
いまだに意味分からんもん

俺の知らん間に、祐希さんとか、藍とかと仲良くしてるし、
俺、Aさんがバレーに関わる仕事してるなんて、全然知らんかった」



『だって、夢やったんやもん』


「バレーの仕事するんが？」


『ううん、




たつくんの夢、そばで支えるんが』




「え、、、？」

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