#2《共存関係》 ページ23
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きっと彼はわたしのことなんか好きじゃない。
代わりでもいいから、
あなたのそばにいたい。
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「Aちゃん、次のお休みどっか行こっか」
太志くんからそんな連絡が来た。
『行きたい!どこがいいかな』
なんて返事をした。
こういう連絡をするようになって半年。
休みの日にはデートをする。
でも、わたしから誘うことはない。
会いたいと言うこともない。
だって、
太志くんは
わたしのことなんて好きじゃないから。
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「、、、はぁ、、、。」
『太志くん、、、大丈夫、、、?』
「ん?あぁ、Aちゃん、、、
どうしたの、じゃないんだ、、はは」
『あ、、、えっと、、、ごめん』
「いいの、いいの、わかってたことだから
あの2人お似合いだなって思ってたし
俺の入る隙なんてなかった
もともと言うつもりもなかったし、ね」
『そっ、、か、。』
ポンポン
「ふふ、頭撫でてくれるの?ありがと」
『いや、なんか、うん、
太志くんはかっこいいよ。
優しいし、バレー上手だし、背高いし、
笑顔が可愛いし、気遣いもできるし、』
「あははっ!わかった、わかった、
慰めてくれてるのね?ありがとう」
『慰めてるだけじゃないよ!全部本心。
わたしの思ってること。
太志くんは本当にかっこいい素敵な人だよ。』
「ふふ、Aちゃん、それ告白みたいだよ?」
『、、、そう思ってくれてもいいよ、、、
やっぱちがう、なんでもないっ、』
「Aちゃんはさ、、、ずっとそばにいてくれる?
俺から、、、離れていかない?」
『、、、うん、離れない。
ずっと太志くんのこと、守ってあげる』
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太志くんのことがずっと好きだった。
太志くんが幼馴染の子を好きなことは知っていた。
その子に好きな人がいることも。
わたしたちはお互い好きな人の背中に手を伸ばして、
届かない手をずっと伸ばしていた。
太志くんが伸ばしていた手は届くことがなく、
幼馴染の子は好きな人に手が届いた。
そこに付け込んで太志くんの背中にそっと触れたのがわたしだ。
付き合っているわけじゃない。
好きだとも言わない。言われない。
それがわたしたちの関係。
変わることを求めたらお互い失ってしまうから。
わたしは愛しい人を。
太志くんは心の穴を埋めてくれる人を。
お互い失いたくないから、
この共存関係が崩れない限り
わたしたちはお互いを離すことはない。
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美桜 - あむ…さん» そうなんですか!? いつか読める日を心待ちにしています まだまだ寒いのでお体に気をつけて更新頑張ってください! 応援してます (1月5日 0時) (レス) id: a3587cf79e (このIDを非表示/違反報告)
あむ…(プロフ) - 美桜さん» 美桜様、コメントありがとうございます。どの作品かな?って思っていたので追いコメントありがたいです。アイビーが美桜様の心に届いたようで嬉しいです。アイビーの未来のお話は少し考えているところもあるので、いつかお届けできたらと思ってます。 (1月4日 23時) (レス) id: c3ed15d929 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 下のコメント「アイビー」のことです こいつ何の話してんだってなりましたよね すいません (1月4日 22時) (レス) @page14 id: a3587cf79e (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - いいお話過ぎて感動しました…泣 長編で過去とかそれからの2人がどうなったのかも見てみたいな・・・なんて思ったりして1人で悶えてます これからも応援してます! (1月4日 22時) (レス) @page12 id: a3587cf79e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ... | 作成日時:2024年1月1日 22時