bouquet

#13《アイビーの花》 ページ21

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アイビー
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こちらの続編です。



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1年の中で数日だけ花が咲く。


長く育てた株にだけ花が咲く。








アイビーの花が咲く時、



わたしの願いが叶えばいいのに。




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ともと別れて2年の月日が流れた。



特に何も変わらない日が過ぎていっただけだった。


毎日、同じ時間に起きて、
同じようにご飯を食べ、仕事に行き、
家に帰って、ご飯を食べて、
同じ時間に眠る。


同じ日の繰り返しで
この生活のどこにともがいたのか思い出せない。


ともと過ごしていた時は
毎日が新鮮で、楽しくて


幸せだった気がする。


そんなことを思いながら
毎日、同じようにアイビーに水をやる。

アイビーの手入れをやめられない自分がいた。




どれだけ大事にしたって
ともは戻ってこないのに。



アイビーは綺麗な緑色の葉を増やし、
変わらない部屋の窓辺に佇んでいる。


2年経ってもこの家にいるのはわたしのエゴでしかないのだろう。


消せないともの連絡先。
ともが通ったこの家。
ともが好きだと言ったアイビー。


消えかけているともの存在にただただ縋り付いている。



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仕事終わりに寄ったコンビニで見知った顔を見かける。
でも、今のわたしには関係ない他人だ。

それなのに

「Aちゃん、、だよね？」


『永露くん、、、』


「久しぶり、って急に声かけてごめんね？
元気にしてた？」


『あ、お久しぶりです、元気です、はい』


「元気なら良かった
えっと、、、」


『とっ、小川さんはお元気ですか？』


「うん、ともも元気だよ
相変わらずだけど」


『なら、、、良かったです』


「、、、Aちゃん、

ともと会わない？」


『えっ、、、

いや、会いません。
会っても辛い思いするだけだから。



わたしだけ、変わらないままで、、、


いや、ごめんなさい、健康に気を付けてとお伝え下さい。永露さんもお元気で、じゃあ』



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「ねぇ、とも、、、
俺、この間、、Aちゃんに会ったよ」


「はっ、、、？あ、いや、そうなんだ」


「素直になれよ、会いたいんじゃねえの？」


「会えないだろ
なにも変わってねえもん、俺


会っても辛い思いさせるだけだろ」


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