#13《アイビー》 ページ11
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好きじゃないよ、
お前のことなんか好きじゃない
だから、俺の前に現れないで
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「A、俺らさ、別れよっか」
『え、、とも、、、なに言ってんの?
冗談だよね?』
「いや、マジだよ。」
『なん、で、、、?』
「いや、なんか、一緒にいる意味ある?って思っちゃったんだよね。
そういう気持ちでいてもお前に悪いしさ、
なら、まあ、別れたほうがお互いのためじゃね?って思って」
そこからのことはほとんど覚えていないけど、
気づいたらうちにあったともの物は、全部なくなっていて、
ともの存在自体、最初からなかったような自分の部屋が残っただけだった。
『とも、、、
ねぇ、とも、、、』
何度、名前を呼んでも何も聞こえなくて
ここにはもう、ともがいないことだけを私に知らせてくる。
初めからともとは出会っていなかったのかもしれない
すべて夢だったのかもしれない
そう思えたら楽なのに、
窓辺に飾ってあるアイビーの鉢植えが私に思い知らせてくる。
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「これ、Aの部屋に飾っといてよ」
「俺、結構この葉っぱ好き、アイビー」
「Aの部屋にこれがあったら、落ち着くから、置いといてね」
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ともは、ずるい。
自分が置いておけと言ったアイビーを残していくなんて。
ともは忘れてしまったんだろうか。
自分が置いていったことを。
とものために、毎日水をあげて
きれいな緑の葉っぱを育てて
伸びたつるをきれいになるように切って整えて。
このアイビーがここにいることで私はきっと前に進めない。
ともはそんなこと知らずに私から簡単に離れていく。
残されたアイビーだけがともがいたことを忘れさせてくれなくて
アイビーのつるが私の心を縛り付けて、離してくれない。
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美桜 - あむ…さん» そうなんですか!? いつか読める日を心待ちにしています まだまだ寒いのでお体に気をつけて更新頑張ってください! 応援してます (1月5日 0時) (レス) id: a3587cf79e (このIDを非表示/違反報告)
あむ…(プロフ) - 美桜さん» 美桜様、コメントありがとうございます。どの作品かな?って思っていたので追いコメントありがたいです。アイビーが美桜様の心に届いたようで嬉しいです。アイビーの未来のお話は少し考えているところもあるので、いつかお届けできたらと思ってます。 (1月4日 23時) (レス) id: c3ed15d929 (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - 下のコメント「アイビー」のことです こいつ何の話してんだってなりましたよね すいません (1月4日 22時) (レス) @page14 id: a3587cf79e (このIDを非表示/違反報告)
美桜 - いいお話過ぎて感動しました…泣 長編で過去とかそれからの2人がどうなったのかも見てみたいな・・・なんて思ったりして1人で悶えてます これからも応援してます! (1月4日 22時) (レス) @page12 id: a3587cf79e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あむ... | 作成日時:2024年1月1日 22時