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02:Black Out ページ4

No Side

悪魔。その言葉に、幼いコクリコと機械のVoidoll、発言者のグスタフに張本人のスーサイド以外は息を飲んだ。
「それって…、どういうことなの?」
苦々しい顔をしてテスラが口を開く。
「…いっぱい殺した、殺さないといけなかった」
スーサイドは無表情のまま答える。その目には生命の息吹は無いに等しかった。
「何か仕事としてそれをしていたのか?」
今までに何人も殺してきた暗殺者であるルチアーノは、いかにもいつも通りのように聞いてみせた。
「仕事…、ではない。救うため」
「何を救うために?」「つまりは理想のためか?」「何でこんな歳でそんなことをしているの?」「どうして戦場に現れたのかしら?」
次々と質問が飛び交い、先程まで無表情だったスーサイドの顔が引きつってきた。
「………」

ふいに誰かが呟いた。
「…やめ、て」
その声で、ざわざわとした雰囲気が収まった。皆が反射的に声の方を見る。
声の主は、先程の状態から落ち着きを取り戻したアダムだった。
「やめてください…、彼女はこれから私たちと共に過ごす仲間であり、ヒーローですよ。これ以上の詮索は良くありません」
その言葉に、皆がはっとする。
「ご、ごめんな。つい気にし過ぎちまったぜ」
「ここに来る前に何があっても大丈夫さ、僕も人には言えないこと色々あったしねー」
「今では俺たちと君は仲間だ。もし良ければ皆を頼ってくれ」
アタリやマルコスの気さくな言葉と、ジャスティスの優しさが込められた言葉は、スーサイドを少し驚かせた。
(これが優しさ、愛情…?まともな年数は生きていないけれど、何故か懐かしい気がする)
そして、無邪気にコクリコが言った。
「よろしくね、スーお姉ちゃん!」
「えっと、あっ…」
「こういう時は、賛同するものよ。お嬢さん」
ヴィオレッタの助言に押され、スーサイドは口を開く。
「こちらこそ、宜しく」




こうして、彼女は迎え入れられた。
物語は戦場から、暖かい場所へ暗転【Black Out】した。

03:とある場所の話→←01



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りっちゃん(プロフ) - おもしろいです更新待ってます! (2018年2月24日 12時) (レス) id: f6bf2e6cd0 (このIDを非表示/違反報告)
サクラメント - ありがとうございます、まだ書きかけですが頑張ります (2017年10月16日 16時) (レス) id: a111f5c854 (このIDを非表示/違反報告)
時雨(プロフ) - 面白そうですね...!続き、待ってます!((o(。>ω<。)o))ワクワク (2017年10月15日 20時) (レス) id: 4077a40fbf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サクラメント | 作成日時:2017年10月15日 7時

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