すれ違い35 ページ36
一ノ瀬side
西野は少しずつ、あの男について話し始めた。
『まず、私が上京してきた理由は、漫画家になりたかったから。それで、私が好きな漫画をかいていたのが………斎藤さん。』
俺が住んでるマンションの一室に、西野を入れ、コーヒーを出す。
『あ、ありがとう。なんか、ごめんね。私の家だってすぐそこなのに。』
そう言って、窓から見えるマンションをさす。
「ううん。大丈夫。続けて…？」
『うん。それで、私は斎藤さんの漫画のお手伝いをさせてもらえるようになったの。その時は…すごく、嬉しかった。
私みたいに、斎藤さんに憧れてた人はたくさんいたから。。。でもね、』
目線がどんどん下がっていく。
『でも、私がそれをさせてもらってたのは、絵が上手だから。
とか、ベタ塗りが上手だから。とか、そんな理由じゃなかったっ…』
肩を震わせ、大粒の涙が落ちていき、西野の服を濡らす。
俺はポケットの中を探したけど、ハンカチは出てこなかった。
『わっ、私は、扱いやすいんだって。それを聞いたときは…ショックだった。
辞めようとしたらっ、今度は、暴力…ふるわれ、て……っ』
俺には、抱きしめて、頭を撫でて、あげることしかできなかった。
お前はそんなやつじゃない。
扱いやすくなんか…ない。
あの時も、俺を驚かせた。
俺はその時も抱きしめてた。
でも、泣いてたのは俺だった。
あの頃と同じことしかできないとか、かっこ悪いな……俺。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 52人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えむえむ(プロフ) - 初コメを上げてしまった…←いやあげて問題ないやろw はい、頑張ってください！！ (2018年2月19日 21時) (
レス) id: dbee862595 (このIDを非表示/違反報告)
彩加(プロフ) - えむえむさん» いい作品だなんて……ありがとうございます！！ コメントしてもらったの初です…嬉しい(T∀T) これからも頑張ります！ (2018年2月19日 21時) (レス) id: 2f30becb61 (このIDを非表示/違反報告)
えむえむ(プロフ) - お気に入り登録しました！えっと…続きは明日あたりに読もうと思います…(明日学校だしw)いい作品だと思いますよヽ(*´∀｀)ノ (2018年2月19日 21時) (レス) id: dbee862595 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらんぼ* x他1人 | 作成日時：2018年1月21日 20時
