actors'

アルバム-26 ページ30

神尾「父は、肩の荷が下りたと笑っていました。









この話は、父なりに優柔不断な僕のことを心配してのことだったんだと思います。












なかなか不器用ですけど。」









田中「お互い、子供を思う気持ちが少しズレてしまっていたんでしょうな………。」










神尾「奈々さんが、僕を変えてくれました。







本当は直接お礼をいいたかったんですけど、いらっしゃらないと伺ったので。」










田中「もうすぐ帰ってくるとは思いますが……。」









神尾「いえ、戻ります。葬儀の段取りがありますので。」










田中「わざわざありがとうございました。こんな忙しい時に……。」










神尾「いえ。あのまま父の言いなりになっていたら、一生後悔していたと思うんです。









最期に、本心で父と向き合うことができてよかった。










それでは、失礼します。」








田中「あ、外までお送りします。」










鈴鹿「あの、俺も行きます。」











神尾「貴方は………。もしかして、」










鈴鹿「奈々さんとお付き合いしています。二宮優といいます。」










神尾「なんだか、奈々さんがどうしても一緒に居たいといった理由が、分かる気がします。」













鈴鹿「どうして、ですか？」











神尾「貴方の人の良さは滲み出ているんです。










初対面の僕でも、貴方がどれほどいい人なのか感じ取れる。」











鈴鹿「そう、ですか……。ありがとうございます。」









田中「そろそろ、行きましょうか。」










神尾「そうですね。」










______________________________________


田中「本当にありがとうございました。












今後とも一条屋をよろしくお願いいたします。」















神尾「こちらこそ。落ち着いたらまた来ます。











今度は奈々さんにも直接お礼が言いたいですし。」











鈴鹿「あの、俺がこんなこと言うの変かもしれないんですけど、」










神尾「？」










鈴鹿「俺たち、これからも仲良くできませんか？










なんか気が合いそうな気がして。」














神尾「嬉しいです。僕も丁度そう思ってました。」












鈴鹿「まず敬語やめましょ！あ、名前で読んでください。俺も呼びます。」











神尾「じゃあ、優。今度はうちに遊びに来て。奈々さんと一緒に。」












鈴鹿「もちろん！」

アルバム-27→←アルバム-25

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す