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アルバム-16 ページ20

田中「魚吉さんの前であんなこと言って！









どういうつもりだ、奈々！」







宮脇「付き合ってる人が居るって言った！











龍貴さんもわかってくれた！










本人同士が合意しているのに、どうしてだめなの？」










田中「もう、決まっているんだよ。うちと魚吉さんで。












話は付いている。もう、覆ることはないさ。」










宮脇「どうして、そんなことをお父さんが勝手に決めるの？









お父さんがそうだったから？









お父さんはお母さんと結婚して、政略結婚でも幸せだったのかもしれない！









でも、お母さんは？お母さんはずっと辰郎さんのことを忘れてなかった。










ううん、忘れてなかったんじゃない。忘れられなかったんだよ！










だってあんなに………。










あんなに懐かしそうに、幸せそうに話すお母さんは、あの時以外見たことなかった！」












田中「黙らんか！」








宮脇「お母さんはこれはこれで幸せだって言ってたけど












ずっと無理してたんじゃないの！？











自分の気持ち押し殺して、私やお父さんの前で笑って、












………………………………そんなの…………そんなの、辛過ぎる……。」








田中「お母さんのことなど、今、関係ない！」












宮脇「関係無い！？私の、お母さんでしょ？









お父さんの、奥さんでしょ？











家族でしょ！？関係無いなんて、言わせない！」











田中「今は、お前の将来の話をしているんだ！」











宮脇「だからお母さんの話はするなって？









…………お母さんが亡くなってから、お父さん変わったよね。











そんなこと言う人、私の知ってるお父さんじゃない！」









田中「奈々っ！」











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奈々(Aside)




しばらくベッドに突っ伏して、泣いていた。












あんなに怒ったお父さんを見るのは、初めてだった。










お父さんの気持ちが分からない訳じゃない。












お父さんなりに私の幸せを考えた結果なんだと思う。









…………それでも。私は、優くんと一緒に居たい。











優くんと、笑っていたい………。










宮脇「もう、会えないのかな………。」












怒ったお父さんに取り上げられたままのスマホは手元に戻ってくることはなかった。

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