【scene1.】 ページ2
観客席が、大歓声に包まれた。
舞台の上では、役者たちが手を繋いでお辞儀をしている。
その光景を、私は胸一杯になりながら見つめていた。とっても、素晴らしい舞台だった。あわただしく戻ってきて、慌てて見たものだけれど、とにかく、本当に、見に来れてよかった。きっとわたしだけでなく、劇場中の全員がそう思っていることだろう。
明神阿良也をはじめ、たくさんのキラキラとした役者たちが、舞台を彩った。三坂七生、青田亀太郎＿＿ああそう、彼もいるのよね。なんだか変わったなぁ＿＿星アキラ。誰も彼もが銀河鉄道の客人だった。
やはり、というべきか。劇団天球、数年ぶりに見たけれど、より力が増しているように思う。
監督は、巌さん。彼がいたからこそなのだと思ったが、きっとこれからもこの劇団はとどまるところを知らないだろう。始まる直前にスマホに届いたニュースは私含めたくさんの人を驚かせたけれど、その驚きさえ飲み込んでしまうような、自分の存在さえ忘れてしまうような、圧倒的な舞台。舞台とは、役者ももちろんだけど、演出家で決まるものだ。ふと、巌さんと仕事がしてみたかったなぁと思った。心の中で冥福を祈る。
みんな、とても、とても、素敵だった。
でもでも、やっぱり、一番、心を惹かれたのは。
「夜凪、景」
私は、つつつ、と、人差し指でパンフレットの「夜凪 景」と印刷された場所を指でなぞった。初めて見た役者。本当に素敵だった。
彼＿＿彼女が初めて舞台上に上がったとき、私は目を見張ったものだ。この世のものではないような神聖な空気をまとった、実在しているのかすらわからなくなってしまうような、触れたらほろりと崩れてしまいそうな、繊細で、美しい少年。一挙一動に心を奪われ、目が離せなかった。
顔をあげ、舞台上の彼女を見る。さっきまでカムパネルラだった彼＿だから、彼女だ＿は、あたふたとしているようにも、どこか、落ち着いているようにも見える。
「とっても、すてき。」
大歓声の中、誰にも聞こえないようなちいさな声で、口の端でそんなことを呟いた。彼女から聞いていた通りだった。口角が上がる。
(覚えておこう。また今度、会いに行ってみたいなぁ)
そんなことを考えながら、彼女は周りの観客の拍手に、自分のそれを重ねた。
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レイン様(プロフ) - 復活、待ってます。 (2020年8月21日 13時) (
レス) id: 4db45bcbc3 (このIDを非表示/違反報告)
鳥の子(プロフ) - ひぇぇ、有難うございます。桜みさき様の御期待に添える様、これからもすごくすごい(?)文章を書いていく所存ですので、見守ってくだされば幸いです! (2019年10月14日 16時) (レス) id: fababa1230 (このIDを非表示/違反報告)
桜みさき@低浮上(プロフ) - 鳥の子さん» 余談ですが、ここで言うのもなんですが、鳥の子さんのお話も読ませていただいています！鳥の子さんも、この寒暖差ですから、お体に気をつけてください。今回は本当にありがとうございました！ (2019年10月14日 16時) (レス) id: 94acc03127 (このIDを非表示/違反報告)
桜みさき@低浮上(プロフ) - 鳥の子さん» さっそくの評価、コメント、ましてお気に入り登録までありがとうございます；；たくさん褒めていただいて、少し安心しました。アドバイスもありがとうございます！空白のことはあまり気にしたことがなかったので、参考にさせていただきます。 (2019年10月14日 16時) (レス) id: 94acc03127 (このIDを非表示/違反報告)
鳥の子(プロフ) - これからもお体に気を付けて、更新頑張ってくださいね! (2019年10月14日 15時) (レス) id: fababa1230 (このIDを非表示/違反報告)
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