焦燥 ページ20
交流会を終え、悟とも正式に付き合いを始められたAの生活は充実していた。
会えない時間を補うかのように前より頻繁にメールや電話を交わすようになった。
しかし最初こそ公私共に上手くいっていたが、徐々に東京と京都それぞれの繁忙が襲い連絡がすれ違う事が増えて来た。
悟と傑は星漿体の護衛、抹消の任務を任された。
任務中に軽率に連絡が取れないのは勿論、護衛対象であった天内 理子を救えなかった後悔や葛藤に苦しみ、気持ちの整理が着かないまま数日が過ぎる。
そして同時期、Aもまた急に活発化した呪霊を祓う任務ラッシュが続いていた。
未完成とはいえ領域展開の一片を成功させたAは1級術師へ推挙されたのだ。
呪霊の動きが活発化した原因については結局不明なまま。
そんな中のAの急な1級昇格の推薦。
結局のところAを1級術師に昇格させ京都の戦力を上げたかったのか。
活発化する呪霊を早急に鎮めさせたかったのか、どちらが本命なのかわからない。
単にハードスケジュールになっても仕方がない理由に宛がいたかっただけなのかも知れない。
『はぁ…はぁっ…』
そしてたった今1級呪霊を祓ったAは眉を寄せながら肩で息を繰り返していた。
1級を相手にするのは当たり前、2なんて余裕だろう。そんな扱いだった。
勿論その通りだし、Aの場合は2級術師の時から1級を相手にしていた事もあったのだから実績が伴っている。
当然の実力…しかしだからといって疲労が無い訳ではなかった。
『クソっ…こんなところでヘバってる訳にはいかねぇんだよ』
額の汗を袖で拭いながら悪態吐く。
普段のAなら造作も無い相手だったかも知れない。
しかし連日続く任務に怪我こそしていないものの心身ともに疲れていた。
だからといってAは1級昇格を降りるつもりは微塵も無かった。
例え利用されているのだとしても、それでも目指すものがあった。
『(1級でこんなに忙しいのに特級はどうなるんだよ。過労死させる気か)』
そう。特級だった。
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晩鶴紫呉(プロフ) - いえいえ!むしろ私が忘れてました (2021年4月1日 17時) (レス) id: 9a7d0082b8 (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - らっこさん» 現在は0巻のストーリーをコツコツ書き進めております!0巻が終わったら原作編に行きますので、もう暫しお待ちください!……なるべく早く再開したいです!リアルが忙しくて時間が取れず恨めしい(苦笑) (2021年3月17日 20時) (レス) id: 9b51245cfc (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - らっこさん» わぁ!!お返事が遅くなってしまい申し訳ありません!!そして当小説をとても好いてくださる気持ちがたっぷり伝わる温かいコメントをありがとうございます!!(嬉泣)自分は男主は攻めが好物なので逆に攻めの夢主しか書けないんですw喜んで頂けて嬉しいです!! (2021年3月17日 20時) (レス) id: 9b51245cfc (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - あ、でも本当に無理しないでくださいね。神作者様...というか推作者様を無理させてしまうのは望んでいないので!あくと様のお好きなように書いていただければ自分は満足です...! (2021年3月11日 22時) (レス) id: b2f3d77b53 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 最強さん攻めが多いのでうれしいです!いろんな感情たかぶらせながら何回も読んでます笑続き楽しみです。無理しない程度でいいので更新頑張ってください!呪の器さんが登場する原作偏も読みたいです。楽しみカ楽しみがありすぎて逆に辛いっ...笑 (2021年3月11日 22時) (レス) id: b2f3d77b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あくと | 作成日時:2021年1月28日 20時