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「昨日言っていた用事と、合法的にAの触診に来たぞ。ほれ屈め〜」
『ほーい』
「硝子おまっ!今合法的にって言ったな!?つーかその手ヤメロ!!」
『お、やっと布団から出た』
屈めと言われて素直に膝を曲げ背を低くするAの後ろにダッシュで駆け付けた。
悟の言う硝子の"その手"とは如何にもこれから怪しい触り方をされそうな、ワキワキと指を曲げる仕草の事だった。
因みに硝子に如何わしい気持ちは無く、ただ悟を挑発する為にわざとしていただけだった。
いざAの頭に触れる時はちゃんと診断らしい触り方である。
「やぁ悟。"意外と"元気そうだね」
「て、てめっ…!」
傑の含みのある言葉で悟の頬が少し赤くなる。
硝子もニヤニヤと笑っていたが、触診中のAだけは見えなかった。
「うん、痕跡も残穢も残って無いし違和感も無い。大丈夫でしょ」
『硝子からのOKなら安心だな』
「ところで昨日から気になってたけどAに何の用だよ」
「用って程の事でも無いけど一つ言いたい事があったのさ」
「A」
『ん?』
二人が顔を見合わせる。そしてタイミングを合わせて、
「「1級昇格、おめでとう」」
そう言いながら優しい笑みを浮かべ、共に頭を撫でた。
『!!ありがとな。早く特級になれるよう頑張る』
初めての友、祝いの言葉を貰うのも初めてで本当に嬉しそうに顔が綻ぶ。
そう、実はAは無事1級に昇級していたのだ。
しかし穏やかではいられない人物が一人だけ居た。
「待って聞いてない!!A1級になったの!?んで何でお前等は知ってんの!!」
「アンタがホームルーム中、Aとのメールに夢中になってる間に夜蛾先生がしれっと言ってたわよ」
「A"の"話よりA"との"話の方が優先順位が高くて聞いてなかったんだろうね」
「んだよ教えろよ!!」
「「自業自得」」
『まぁまぁ』
そもそも学校で携帯を弄るなと言うべきところなのだが悟なので夜蛾も諦めているところがある。
Aは宥めようとしてくれているのだが、背後の二人はしてやったりとドヤ顔を見せるのでキレそうになったのは言うまでもない。
「何はともあれおめでとう!!準1級を飛んで1級か〜、特級も夢じゃないね!」
『ありがとな悟。油断せず頑張るよ』
悟は遅れを挽回せんとぎゅうっと強く抱き締めながら祝福する。
イレギュラーな事態も起きたが、楽しい思い出と幸せな気持ちを抱えて東京お泊りデートは無事終了するのであった。
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晩鶴紫呉(プロフ) - いえいえ!むしろ私が忘れてました (2021年4月1日 17時) (レス) id: 9a7d0082b8 (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - らっこさん» 現在は0巻のストーリーをコツコツ書き進めております!0巻が終わったら原作編に行きますので、もう暫しお待ちください!……なるべく早く再開したいです!リアルが忙しくて時間が取れず恨めしい(苦笑) (2021年3月17日 20時) (レス) id: 9b51245cfc (このIDを非表示/違反報告)
あくと(プロフ) - らっこさん» わぁ!!お返事が遅くなってしまい申し訳ありません!!そして当小説をとても好いてくださる気持ちがたっぷり伝わる温かいコメントをありがとうございます!!(嬉泣)自分は男主は攻めが好物なので逆に攻めの夢主しか書けないんですw喜んで頂けて嬉しいです!! (2021年3月17日 20時) (レス) id: 9b51245cfc (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - あ、でも本当に無理しないでくださいね。神作者様...というか推作者様を無理させてしまうのは望んでいないので!あくと様のお好きなように書いていただければ自分は満足です...! (2021年3月11日 22時) (レス) id: b2f3d77b53 (このIDを非表示/違反報告)
らっこ(プロフ) - 最強さん攻めが多いのでうれしいです!いろんな感情たかぶらせながら何回も読んでます笑続き楽しみです。無理しない程度でいいので更新頑張ってください!呪の器さんが登場する原作偏も読みたいです。楽しみカ楽しみがありすぎて逆に辛いっ...笑 (2021年3月11日 22時) (レス) id: b2f3d77b53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あくと | 作成日時:2021年1月28日 20時