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「久しぶりだよね、2人だけで会うの」
「？2人だけで会ったことってあったけ？」
私は身に覚えがない話に首をかしげる
「うん。ほらドラマの撮影の時に暇で2人で撮影抜け出したりした時とかあったじゃないか」
「あぁ、あの時は確か後で散々アリサさんに怒られたっけ」
あの頃のことを思い出し、私はふふ、と笑ってしまう
私はかつてスターズにいた頃アキラ君とよく共演していた
数十分後、程なくして夜凪さんの家に着いた
「ええっ。どうしてルイまで泣くの⁉」
家の前に泣いている男の子とその子を慰めている高校生くらいの女の子がいる
おそらく高校生くらいの女の子が夜凪さんだろう
「僕が声をかけてくるからAくんは車の中で待っていてくれ」
そう言ってアキラ君は車から降りていった
大丈夫なのだろうか。あの格好でこんな所で声をかけても
「夜凪景君。すまないが一緒に来てくれないか」
「あなた、オーディションにいた」
アキラ君の声に夜凪さんが振り向いた
その時さっきまで泣いていた男の子がアキラ君の姿を見て驚く
「‼ウルトラ仮面だ‼ウルトラ仮面何してるんですか⁉怪人⁉怪人出た⁉」
「ウルトラ？」
大きな声でまくし立てる男の子の言葉に夜凪さんは不思議そうな顔をする
「日曜日朝のヒーロー、男の子皆夢中」
そんなに人気なのかアレ
「すまないが少年。今日はオフなんだ」
アキラ君がびくりとするようなオーラで男の子を制す
「私の正体については」
そしてとどめに左目でキラッとウィンクしてみせた
その様子に男の子が目を輝かせる
あんなに泣いていた子が泣きやんだ
すごいなぁ…これで周りの人にバレる心配は…
「はい‼ウルトラ仮面‼」
「え⁉ウルトラ⁉」
「本物のウルトラ仮面だ‼」
男の子の大きな声に反対側の道を歩いていた子たちに反応する
「アレ星アキラよ‼奥さん皆呼んできて！」
あちゃー、おばさまたちにまで
「頼む…早く車に」
その様子にアキラ君が焦る
「あなたこの前は私に『帰れ』って言った」
「おとこって、かってね」
そんなアキラ君に文句を言う夜凪さんと小さい女の子
「皆アアア。ウルトラ仮面今日オフだから、そっとしてあげてェ」
そして訳のわかっていない最後に騒ぎをおこした張本人が大声をあげた
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作者名：天木たま | 作成日時：2020年10月4日 18時
