知り合い(仮) . (ページ41)

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ライブ前日ページ41

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『え、待って！ライブ明日！？』

色々な事がありすぎて時間感覚が狂ってたのか、ライブのことをすっかり忘れてたのかはわからない。

でもライブが始まる時間は美容院にも行けてない私にどんどん迫ってきてる。

『すいません。今からカットとカラーってできますか？』

いつもは一週間前くらいに予約して行くけど、一週間前の私にそんな余裕はなかったみたい。

「予約なしなんて珍しいね(笑)Aちゃんだから特別にね？」

優しい店員さんで良かった。

「いつもインナーだけ染めてるよね？今日もそうする？」

『あ、私明日ライブがあるので、全体的に染めてください。』

「え、なんのライブ〜？」

『あっ、えっと、TravisJapanっていう…』

「え！私のお友達が好きって言ってた！」

『え、誰のファンなんですか？』

「確か、かいとくんって子だったと思う！」

『あー3人いるんですよ(笑)』

「え、そうなの！？んーとまつ…まつくらくん？って子だ多分！」

『そうなんですか！今度ぜひお話ししたいです〜！』

なんてオタクトークも一丁前にできるようになって、楽しく話してたら終わったみたい。

『突然きたのにこんなに可愛くしていただいてありがとうございました！』

「ううん全然！髪の毛の色も似合ってるし、ファンサもらえるといいね！」

『…あっ、はい！また来ますね！』

一瞬戸惑った。

そうだよね、ファンの子たちはファンサがもらえるだけで嬉しいんだもん。

私も目が合うだけできっと嬉しいだろうな。そう思ってたのに、どんどん欲張りになってる気がする。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

＂りぼちゃん＂

どうしたんだろう。

『もしもし、何かあった？』

「…っっ」

え、りぼちゃん泣いてる？

『えっどうしたの？』

「はーちゃんごめん。私明日のライブ行けない。」

『え？』

「大学で大事なテストがあるの。急に日程変更になっちゃった。」

『…そっか。』

「ごめんねドタキャンして。」

『ううん、私は大丈夫だけど…』

「私も大丈夫だから、また今度ライブのこと聞かせてね？」

『…うん』

初めてのライブはりぼちゃんと行きたかった。

それに、私一緒に行ってくれる友達なんていない。

『どうしよう………あ！』

私の中で1人浮かんだ。