知り合い(仮) . (ページ38)

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ソファーの上で寝た海斗くんを1人で奥に運べるはずもなくて、とりあえずブランケットを取りに行くことにした。

『一旦手外しますね。』

私が手を外そうとした時。

「…だめ」

『え？すぐブランケット取ってきますよ。』

「取ってこなくていいから。」

『でも寒いですよ？』

「…zZZ」

なんだ、寝ぼけてただけか。

私は急いでブランケットを取りに行って海斗くんにかけた。

『ソファーで寝てたらテレビの音もうるさいよね。』

いつもテレビ見たりするけど今日はやめとこう。

とりあえずお風呂に入ることにした。

ふと時計を見るともう21:00すぎてた。

今日は寝るの23:00くらいかな、なんて思いながらお風呂から上がった。

ドライヤーも終わって、歯磨きする前に一回様子を見に行こうと思ってリビングに行くと

「あーどこか行ったのかと思った。良かった。」

海斗くんが起きてた。

『え、体調は？熱は？しんどくないですか？痛いとことか…』

「ちょっと疲れてただけだから。もう大丈夫だよ、ありがとう。」

『良かったです、ほんとすいませんでした。』

「うん、それは全然いいけどA今すっぴん？」

あ、お風呂上がりですっぴんなこと完全に忘れてた。

『…はい。あ、あまり見ないでください。』

「すっぴんでも可愛いのに」

海斗くんが小さな声で呟いたのが聞こえた。

「顔、赤くなってるけど？(笑)」

『…うるさい』

「ごめんいじりすぎた(笑)あ、俺もお風呂借りてもい？」

『あ、はい、どうぞ。』

私は海斗くんをお風呂場に案内した時に気付いた。

『あ、そういえば着替えないですよね。』

「あー確かに。いいよ俺このままで。」

そういえば元カレのがまだどこかにあったかもしれない。

『ちょっと待っててください。』

あ、やっぱりあった。良かった。

『あ、これ良かったら着てください。』

「え、スウェットとかメンズでしょこれ。誰の？」

『……元彼の…』

「なら着たくない。」

『え？』

「元彼のは着たくない。」

『すいません。知らない人のですもんね。あ、買ってきましょうか？あ、でもお店開いてないか…』

「嘘だよ(笑)彼氏とかだったらきっと元彼のなんて嫌だけどね？(笑)俺はありがたく借りるね。」

＂彼氏なら嫌だ＂

＂俺はありがたく借りる＂

海斗くんの何気ない言葉に、何かが引っかかった。