知り合い(仮) . (ページ24)

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『宮近さん…』

「ん？なに？Aさん。」

『私…ライブ当たりました。』

「良かった。で、なんでそんな顔してんの？」

『嬉しすぎて、感情が追いついてません(笑)』

今の私はきっと泣きそうな顔で笑ってる。

「Aさん、そんな顔するんだ。」

『しますよ(笑)私も人間ですから。』

「で、俺がここにいることは何も思わない？」

『あ、ほんとですよ！何でここにいるんですか？しかも休憩室。』

「店長さんが教えてくれました(笑)奥にいるよって。」

『このお店にいることは何で知ったんですか？』

「あの居酒屋さんの店長さんが教えてくれました(笑)」

何で店長さんたちはみんな私のプライバシー守ってくれないの！

『私に何か用事ですか？』

「用事です。」

『わざわざここまで来なくても良かったのに…』

「このあいだ俺、悪いことしちゃったから、お詫びしに来ました。」

『あの日は私もどうかしてました。だから気にしないでください。』

「Aさん、ピアスあいてる？」

話の切り替え急すぎない？

『いえ、あいてないです。あけるつもりですけど…』

「ならちょっと来て。」

宮近さんに連れられて私は店頭に戻った。

「俺ら側から見たら本物のカップルみたいじゃない？(笑)」

『笑ってる場合じゃないです。』

隣でニコニコしてる宮近さんを見ると、本物のカップルだと錯覚してしまいそうになる。

「俺の顔、なんかついてる？」

『あ、すいません。』

「見すぎね？(笑)ほら、Aさんの好きなピアス選んで？」

まだピアスあいてないけどな、そう思いながら私が選んだのは大きめのピアス。

「うん、似合いそう。いい感じ。」

『あの、私まだピアスあいてないですけど…』

「うん、知ってます。」

『だけど買うんですか？』

「俺がピアスあげたくなっただけです。気が向いたらライブにつけてきて。」

『いや、さすがにもらえません。自分で買います。』

「それだと俺の気がすまないから。」

結局宮近さんは私が選んだピアスを買ってくれた。

「大きめのピアスだとライブでも見つけやすいじゃん？」

『まだあけるって決めたわけじゃ…』

「んーならこれでどう？」

宮近さんは自分の耳につけてたフープピアスを片方取って私の手に乗せた。