知り合い(仮) . (ページ19)

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遭遇ページ19

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あれ以来宮近さんから連絡は来ないし、もちろん自分からもしない。

『私、このままでいいのかな』

こんな私の独り言も静かに消えていくだけで

「A？」

唯一、この人だけが私の話し相手だったりする。

『なに？』

喧嘩してた彼女さんとも別れたらしくて

今は私も同じ大学の友達として気楽に関われて楽だ。

「暇なら昼飯食い行かね？」

『奢り？』

「なわけないだろ(笑)」

『暇だし、しょうがないから行く』

少し遠くのおしゃれなカフェ

『なんでこんな良いところばっかり知ってるの？』

「元カノが教えてくれた」

『可愛らしい彼女さんだったのに、なんで別れたの？』

「束縛に耐えられんかった、それだけ。」

たまに出る方言もモテる理由の一つ

「それで、Aは最近アイドルにハマってんの？」

『え？』

「それ。スマホの画面。」

あースマホの画面、元太くんにしてた。

『そ。最近この人に幸せもらってる、』

画面の中の元太くんと目の前のこの人、

ちょっと似てる？

「俺この人に似てるって言われたことあるわ。松田って人でしょ？」

『うん、私もちょっと似てるかもって思った。』

「でも実際アイドルとか見たらキラキラしてんだろうな」

『きっとね(笑)』

言えたら楽なのにな、会ったことあるって。

「そろそろ行くか？どっか寄ってく？」

『服とか見て帰って良い？』

「ん、付き合う。」

『ありがと、』

この感じが好きだったんだな、私。

「こっちのが似合う」

『じゃあこっちにする〜』

なんて付き合いたてのカップルみたいな会話もした

「ごめん俺ちょっと電話出てくるわ」

『私ここら辺適当に見とくから気にしないでー』

私が1人になったとき

「あれ？Aさん、だよね？」

私は私の推しと偶然遭遇してしまった。