ｃｏｌｏｒｓ【Arashi短編集】 (ページ27)

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「ん、完成」

料理が出来上がったみたいに言う。

「おー、すげぇ」

しっかり固定されてる。

「少しは楽になったかな」

「かなり楽になった」

ありがとうと素直に言ったら智くんは俯いた。

「どした？」

「や、嬉しいなって...」

可愛いな智くんて。

「ねぇ」

「ん？」

俺を見上げる智くんに続ける。

「ちょっと笑ってみて」

「え、どうして？」

「見たいから」

「えー...」

楽しいことないし、無理だよって拒否された。

「じゃあこうしてみて」

人差し指で自分の頬っぺたを持ち上げて笑って見せた。

「ほりゃ、やっへひ？」

喋り方が変になった。

「ん...」

智くんはしぶしぶやった。

まゆ毛がひゃーんって下がってるから眠たそうだ。

「それ、その顔が似合うよ」

気付いたんだ。智くんはほとんど笑わないって。

もったいないと思って、今こうして教えてる。

「笑ったほうがいいと思うよ？」

「ん～...」

困ったような顔をしていた。

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