叶わぬ片想い、3年目

ep.10 ページ12

JH side





PLEDISには"奇跡の練習生"と噂される女の子がいた。





彼女が練習生として所属していた期間は2年間。

学生の年齢で考えると2年間ってかなり長く感じるけど、この業界では短いほうだ。



どこから情報が漏れたのかは分からないけど、

"将来絶対的なセンターになれる逸材がいる"

なんて情報が事務所内で広まっていて、スタッフはもちろん、メンバーも会いたがっていた。



当時、非公開練習生としてデビュー候補に入っていた彼女は、基本的に他の人との接触を禁止されていたため、練習は限られた人間としかしていなかったらしい。





＿＿＿＿


SG「ヒョン！噂の練習生、知ってる？」

スングァニが目を輝かせて聞いてくる。



JH「あー、メイクヌナから軽く聞いたことならあるけど、よく分かんない」


スングァニはこういう話題好きだな〜なんて考えながら軽く流す。




SG「だと思った〜！


その練習生、まだ入ってすぐなのに、すごく綺麗でオーラがあるってみんな言うの！

しかも歌やダンスも飲み込みが早いみたいで、次のデビューは絶対あの子！って！」

JH「そうなんだ〜」

SG「もう！！ヒョンったら全然興味ないじゃん！」



うん。正直あんまり興味は無い。

とはいえ後輩になるわけだし、全く無い訳でもない。


けど、デビューが決まれば挨拶くらいするだろうし、公開されたらチェックすればいいかな。




でも、あんなに目を輝かして熱弁してくる弟を見てると、話を合わせないわけには…なんて気持ちになってくる。


JH「そんな事ないよ〜。どんな子なんだろうね」

SG「やっぱりヒョンでも気になるよね！？一回は見てみたくない！？」

JH「あー、うん。確かに。どんな子か見てみたいね〜」

SG「ちょっとヒョン、同じような返事ばっかり…やっぱり適当でしょ！？
他のメンバーは変に絡みにいきそうだし、かといって安全そうなシュアヒョンやウォヌヒョンとかは一切興味無さそうだし、、

ヒョンが最適だなって思ってたの〜！」




なんとなく言いたいことは理解できる。

つまり俺が程よく話せて無害そうってことだ。うん。自分でもそう思う。



JH「…じゃあ、マネヒョンに会いに行って良いか聞いてみよっか？その噂の練習生に」

SG「そうこなくっちゃ〜！」




可愛い可愛い弟の頼みだから仕方ない。

"奇跡の練習生"とやらに会いに行ってみようか。


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