十七片 ページ18
「おぉ、いたいた。お前が怪我を治してくれる『道具』何だろお?」
「はい」
「治してくれよお。ほら、ここだよ」
いつも通り怪我人が治崎の元を訪れる。
しかし
「そんな怪我も自分で治せないんですか?本当に人間は脆弱ですね」
「…はあ?」
「治してあげてもいいですよ?しかし、それに見合う対価をください。まぁ、貧乏なあなたに用意は出来ませんね」
怪我人の顔はどんどんと歪んでいく。
「醜い顔ですね、今治してあげますよ」
そう云って治崎はナイフを振り下ろした。
「…そう、これでいい。これでいいの。私は道具じゃない。人でもない。神様でもない。何者でもない。裏切った人間達に復讐を、誠意あるものに癒しを」
ぽた、ぽたとナイフから血が滴り落ちる。
足元には無残な骸が転がる。
いや、足元だけではなかった。
治崎の後ろ森、木々に隠れるように幾つもの骸が転がっていた。
「本当に汚い。臭いも気になってきたし、そろそろまとめてどこかに埋めてこよう」
ずるりずるりと骸を引きずる。
日が暮れた頃に森の奥へ埋めて、
日が昇る頃にまた戻ってきた。
殺して、埋めて、殺して、埋めて、治して、殺して…毎日それを繰り返した。
スラム街に治崎の噂が流れ始めしばらくした後、珍しい客が治崎の元に訪れる。
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クマぽん - 中也とのコントみたいなのがとても面白かったです!!!!!これからも頑張ってください!!!! (2018年12月19日 18時) (レス) id: a657e0068a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:衿歌 | 作成日時:2018年4月28日 23時