【DAYS】soccer girl !! (ページ11)

今日:7 hit、昨日:9 hit、合計:16,066 hit

10. ページ11

大柴喜一

『アンタ、何やってんの』

「はっ。見てわかんねえのか。だから馬鹿って言われんだよ」

『あっそ。じゃあね』

「待て待て待て。何故行く」

『私には大柴君が何をしているのかさっぱり分からない馬鹿な者でして…』

「すみません。行かないで下さい」

指に水を躊躇いなくぶっかけている

バッと私の目の前に指を差し出され何かと思えば切り傷があった

『………だから？』

「……………絆創膏、ありませんか」

『絆創膏？ああ、確か今日入れてきたはず…』

ポケットから小さいポーチを取り出して中を探ると言った通りたくさんあった

一枚剥ぎ取り手渡すが指は差し出されたままで自分で貼るという選択肢はコイツにはないみたいだ

『自分で貼れ』

「利き手だぞ。頑張ったぞ。ヒーローだぞ」

『ヒーローなら自分で貼りなさい』

それでも一向に折れない喜一

私がはあ、とため息をついて絆創膏を取り出す

結局はいつも私が折れる

『ほら、ちゃんとよく見せて』

「ん！」

子供か、と内心突っ込んで絆創膏をくるっとまわして貼る

そして最後にちゃんと貼るためにぎゅっと思いきり握って離す

『はい。おしまい』

「ヒーローだぞ！」

『そうそう。サッカー部のヒーローになるなら簡単に怪我なんてしないでよね』

「うっ……」

『期待してんだからね？』

「おう……」

.