絶対エースが、記憶喪失になりました。―HSJ― part2

●ななじゅう● ページ32

山田side




……？



ココは？






真っ暗な……世界？






グルリと周りを見渡してみる。



何処も彼処も(どこもかしこも)真っ暗。






ふと、手を見た。


……え？

見え……る？





光なんてないから、見えないはずじゃ＿＿？







……って、え？ え？




俺……何でそんなこと知ってんだよ……？







知らないハズなのに？？？






しかも……何これ？






手のひらに何か……？






そこに書かれてあったのは＿＿＿＿




『有岡大貴』






山「……大ちゃん……？」




何故大ちゃんの名前が？ そして……何故俺は知ってるの？






大ちゃんの名前を＿＿。








知らない人のハズじゃ？





ねぇ、どういうこと？





「っ、山田っ！！」





この声……もしかして……？






山「……大…ちゃん？」





クルリと振り返りながら呼んでみる。






大「！ わかるの？！ 俺のこと…………！」






そう言い、ものすごい笑顔になる。






違う、ホントはちゃんと思い出してない。






でも、そんなこと…言える訳ないじゃん。





だから……




山「……大ちゃんは分かる？」





そうやって、話を逸らすことしか。






大「……？ 何が？」






……サイテイダナ、オレ。







でも、これは俺が見ているただの夢だから……。






なんて思ってた。







でも…………





この夢が大ちゃんの夢と繋がってるなんて、


思う訳ないじゃん。

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