絶対エースが、記憶喪失になりました。―HSJ― part2

●ごじゅうきゅう● ページ18

伊野尾side





光「おい伊野尾」




伊「んぇ？ 何？」





肩に手をポンっとおかれる。





光「さっきの花渡してもいい？」





伊「いいよ？」




なんで「渡してもいいか」って聞いたんだろ？




……んん？



あっれぇ？ 光さんの顔、ちょっぴり赤い？




まー仕方ないよね！ツンデレだから！←おい by光




光「山田、これ」




ずっと自分の体の後ろに隠してた花を山田に渡す。





山「……これって、なんて言うやつ……？」






光・伊「…！」


光に手渡された花束を見ながらそう言った。


山田の記憶には、俺らだけでなく…日常的に見る『花』という存在まで消えていた。



………当たり前か？
記憶喪失になってるんだから……。




伊「…それは、花って言うんだよ」




光「伊野尾……。」




山「……花？」



俺の顔を見ていた山田は、顔を下に向け、再び俺の顔を見る。



山「…キレイだ……ね」




そう言って優しく笑う。





伊「…そうだね」







花を優しく包み込んでいるビニールが｢ｶﾞｻｯ｣と音をたてる。





光「俺、花瓶貰ってくる」




伊「ありがと！｣



病室の外に出る。



山「あの、伊野尾ちゃん」



伊「なぁに？」



ドアが完璧に閉まったと同時に山田が話しかける。



山「伊野尾ちゃんや、八乙女さんと……昨日来たあの人……誰だっけ……」





伊「昨日来た人って、裕翔？」





山「あ、その人！」





伊「で、俺と？ 裕翔と光？ がどした？」





山「いや……俺は3人と会うのは……違う…あと3人来てた……誰…？」





伊「いつ来たか覚えてる？」





山「……覚えて……なぃ……」





伊「じゃあ特徴！」





山「……とく……ちょー？」




「なんじゃそれ」とでも言いそうな顔で聞く。





伊「まぁ、簡単に言うとどんな見た目だった？」





山「……見た目…ちっちゃいのと……」





多分知念だな←伊野ちゃん…by知念




山「髪が…くるんってなってるのと…」




髪がくるんってなってる…大ちゃんかな？





山「…あと…ゴリラ」




ゴリラは圭人だな。 圭人が泣いてるぜ←




伊「うん、大体誰かはわかった。…で？ その5人がどした？」




山「……や、関係性が…知りたい……だけ」


伊「関係性？」


山「どういう関係なのかな…って」


伊「仲間かな」


山「……仲間？」


伊「そう、仲間」


山「…仲間…かぁ」

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