こーちという男 ページ4
「俺ぁね、みんなに会えてほんっとに良かったよぉ!いいヤツすぎてもう一杯飲めるくらいだよ!すゥみまs「オイオイオイジェシーもう飲めねぇだろやめろやめろ(笑)」
いかん、ジェシーが酔っ払ってきた。酔った勢いでもう一杯頼もうとしたのを、さっき息を吹き返すように酔いを覚ました高地が慌てて制止する。
慎太郎も眠そうに頭をカクカクさせ始めた。もうだいぶ深い時間になってきたし、そろそろお開きにするか。
「ジェシーの分は本人ベロベロだからとりあえず高地出してよ、それ以外のヤツは俺にちょーだい。まとめて勘定しとくわ。」
「ありがと樹」「よろしくー」
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「北斗何気バイトあったのに来てくれてありがとね、結局俺はジェシーの家に泊まるけど。」
「いいよ、久しぶりにみんなと飲みたかったから」
「樹と慎太郎もアパート駅の近くだし、そっち方面北斗だけだけど気をつけてね?」
「もぅ、心配しすぎじゃない??高地のママ気質は相変わらずだね(笑)俺ちゃんと「「男だもん」」
「ハハッ北斗も変わんないね(笑)じゃ、また明日!2限行くっしょ?」
「もちろん。また明日ね」 「おう、明日ね」
久しぶりに友人と飲むお酒はやっぱり美味しい。なにより人と話すということは気分転換にもなるし単純に楽しい。
数年前、中学の頃までの俺は今よりも重度の人見知りのせいで友人はほぼゼロ。友人の必要性を感じることもなく高校に進学した為高校デビューなんてもってのほかだと思っていた。
しかしそんな俺の前に現れたのが高地優吾という男なのだ。彼とは同じクラスでも元々知り合いでもない、たまたま下駄箱のロッカーが近いという友人になるには薄すぎる理由で頻繁に顔を合わせていた。
ある日彼が「ねぇ、松村北斗くんでしょ?入試一位だったってホント!?」
とオブラートに包む気がさらさらない態度で、でも真っ直ぐに俺に尋ねてきた。それが始まり。
それから仲良くなるのはとてつもなく早かった。気を許せるとはこういうことなのだろうか。高地には何でも話せるし、何にも話さなくても一緒にいられる。
友人がいる生活を想像したことすらない俺に1人の友人ができてしまった。なんてことだ。可笑しなことに悪い気はしない。
友人、友達といえば、必然的に思い出すのは一番古いであろう出かけた先で歩いた道沿いにあった小さな公園の記憶。
高地といる時間が増える度、俺はそれを思い出してはあのトモダチは誰だったのかとモヤモヤしていた。
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しば(プロフ) - ぽんさん» 報告ありがとうございます!以後気をつけます!また何かありましたらコメントお願いします^ ^ (2020年9月22日 0時) (レス) id: 4f2125b82d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しば | 作成日時:2020年9月21日 23時