コムドットとあなた (ページ7)

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ymt:人の気も知らないで2 ページ7

❤️
you side

「俺、こいつの彼氏だから」

『っ！？』

ただでさえ肩を抱かれて近かった距離が、やまとがグッと腕に力を入れたせいでさらに近くなった

思わず顔が熱くなるのが自分でもわかる

てゆーか、私のこと俺の彼女っていった？あのやまとが？

今まで自分のことを私の兄だと名乗ることはあったが、彼氏だと名乗ったことは1度もなかったのに

その度に、ああ、私は所詮やまとの〈妹〉なんだといつも思い知らされていたのに

「人の彼女に手ぇだすのはやめてもらえる？」

やまとに睨まれた男は舌打ちしてすぐに去っていった

「…はぁ、なあA、また変な男にホイホイついてってどういうつもり？」

呆れた声でそう言ってくるやまとに対してだんだんと怒りが湧いてくる

この男は私のことを何とも思ってなくても、平気で私のことを彼女だと言えるのか

『……こっちの気も知らないで』

「なに、？」

『うるさい、最低。こっちの気も知らないで軽々しく私のこと彼女なんていわないで』

色んな感情が湧き上がって顔が赤くなっているし

なんでか分からないけど涙は出てくるし

せっかくがんばってメイクしたのに台無しだ

なんだかんだやまとは察しがいいから、さっきの言葉で私の気持ちなどとうにバレてしまっただろう

まあ、もうどうでもいいけ、ど、、、

「……え、？？」

なんで、やまとが顔を赤くするの

意味がわからない

やまとは混乱していて頭が回らず涙も止まらない私の頭を引き寄せ、手で目を覆ってきた

「…とりあえず、デート行こっか」

とてつもなく優しい声でそう告げたやまとの声に私は無言で頷くしかなかった