コムドットとあなた (ページ13)

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ymt:好きな人3 ページ13

❤️

『…そういえば鈴木くん好きな人いるんだってね』

放課後、2人きりの教室

ひたすら作業をしてる沈黙に耐えられなくて出た話題がこれだ

私がその話題を口にした瞬間空気が冷え、鈴木くんの動きが一瞬だけ固まった

「…それ、どこで聞いたの？」

『…内緒だよ』

否定しないということは事実ということ

それを理解すると思考が停止してしまった

内緒、となんとか言葉を返すとそのあとはなんとも言えない気まづい空気が教室に流れた

チラッと鈴木くんが目を逸らした先は私の親友の席の方で

目線は嘘をつかないというし、私は失恋したのかな、なんて

『…うまくいったらいいね』

うまくいかないで、という言葉を飲み込み鈴木くんに声をかける

「応援してくれんだ？」

『うん、まあね？鈴木くんの彼女になれる人は幸せだと思うし、いつでも相談乗るよ？』

鈴木くんは一瞬悲しい顔をしたが、ありがとね、という言葉だけで私を落胆させてしまった

私が話題を振ったのに勝手に傷ついて意味がわからない

鈴木くんのそんな顔を見たかったわけじゃない

「…ねえ、それって本心？」

『え？』

「いや俺ちょっと自惚れてたんだけど…」

『…？』

頬杖をつきながら窓の外を見ている鈴木くん

「好き、とまではいかないけど、ちょっとは俺のこと気にしてくれてんのかな、って

……俺の気のせい、？」

『え、あの』

窓の外に向けられていた目が私に向けられる

その目に見られ言葉を失った私ににこっと笑う鈴木くん

その笑顔を見た瞬間なんだかすごく逃げ出したい気分になった

鈴木くんは決定的な言葉はひとつも言っていない

でも鈴木くんの視線や言葉がもしかして、と私に期待を抱かせた

つづくかもね、？