コムドットとあなた (ページ11)

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ymt:好きな人1 ページ11

❤️

you side

「鈴木くん好きな人いるんだって」

昼休み、親友と昼ごはんを食べていると深刻そうな顔でそう伝えられた

くるくると可愛く巻かれた茶髪の髪

目の周りはキラキラしてるし

鼻筋は通っているし肌も真っ白

どこからどう見てもかわいい私の親友

『…へぇ、そうなんだ？誰から聞いたの？？』

鈴木くんに好きな人、と聞いた瞬間食べていたお弁当の味が無くなった気がした

「なんか、好きな人がいるっぽい感じの話をバスケ部のみんなとしてたから、」

伏せたまつ毛が彼女の頬に影を作る

寂しげな親友の顔を見ながら、ふぅん、なんて特に気にしてもないような返事をした

鈴木くんの席の方を見てみれば運悪く鈴木くんと目が合いひらひらと屈託のない笑顔で手を振られた

無視する訳にもいかず、苦笑いで手を振り返す

Aいいなぁ、なんて言葉を零す親友

いいなぁ、なんて、どこが

そんなの、私がずっと親友に対して思っていることだ

まあ、この子が私の気持ちを知ることなどこの先ないだろう

そんな思いを打ち消して親友にいいたくもない言葉をかける

『でも、鈴木くんの好きな人ってあんたかもしんないよ！あんた鈴木くんとよく話す方だし全然有り得ると思う』

私がそういうとその子は頬を染めながらうれしそうに微笑んだ

好きな人をここまで想うことができるのはすごいことだし、恋してる女の子はかわいいと思う

ただこの子の方が私より先に鈴木くんのことが好きだと言っただけ

好きな人が親友と被っただけ

私にはあのときに私も鈴木くんが好きだといえなかった

勇気が出なかった

だから別にこの子は悪くない

人を好きになるのなんて普通のことだしね